七夕講演会で宇宙を紹介
本原 顕太郎(天文学教育研究センター 准教授)
岡村 定矩(天文学教室 教授)
標高5640 mの星空とアタカマ天文台(東京大学TAOプロジェクト提供)
昨年,日本天文学会と天文教育普及研究会は世界天文年の一企画として, 全国各地で「全国同時七夕講演会」というイベントを行いました。 これはたいへん好評を博し,今年も全国77ヶ所で講演会が行われました。 この企画は,趣旨に賛同する機関がそれぞれ主体的に講演会を行う「ゆるやかなネットワーク型」の新しい試みです。 理学系研究科では,ビッグバン宇宙国際研究センターが7月7日に小柴ホールで岡村による講演を,天文学教育研究センターが7月10日に三鷹キャンパスのセンター講義室で本原による講演を行いました。
岡村は「宇宙ってなんだか知っていますか?」という題名で, 宇宙の構造や果てがどこまで見えたかなどについて解説しました。 実際に,スケールモデルによる大きさ比較や仮想宇宙旅行のムービーを紹介し,子供さん達も楽しそうに見ていました。 参加者は43名とやや少なかったものの,講演の後にもたくさんの質問があり,飲み物とスナック,さらには「おみやげ」も用意されていて,聴衆の皆さんには満足していただけたようです。
本原は「世界で一番高い天文台」という題名で,天文センターが南米チリの標高5640 mの高山に建設し,昨年6月にファーストライトを迎えたアタカマ天文台(TAO)を紹介しました。 「七夕らしい天文学の話」を排して,現地の文化や建設時の苦労話に絞り込むという, ある意味挑戦的な試みでしたが,質疑応答も非常に活発で,アンケートの結果を見る限り「珍しい話を聴けた」と好評でした。猛暑真っ盛りの中,駅から遠い三鷹キャンパスでの開催でしたが,ほぼ会場が埋まる50名を超える参加者がありました。
今年も大成功であった「全国同時七夕講演会」の関係者は,この企画をさらに発展させて,同時に同じ分野の講演会を最も多数の場所で行った記録としてギネスブックへの掲載を目指して意気込んでいるようです。