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第8回理学系研究科諮問会が開催される

山形 俊男(地球惑星科学専攻 教授)

図1

諮問会の様子

図2 図3

生物科学専攻研究室見学の様子。上:上田貴志准教授による説明。下:武田洋幸教授による説明。

2009年3月2日(月)に理学系研究科諮問会が開催された。理学系研究科は2001年度から諮問会を開催して各界の有識者に年間活動報告を行い,運営とあるべき姿についてご意見を伺うことにしており,今年度は8回目になる。

諮問会メンバーは昨年度と同様に堀田凱樹委員長(大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 機構長),青野由利委員(毎日新聞社 論説委員),金森博雄委員(カリフォルニア工科大学名誉教授),中村桂子委員(JT生命誌研究館 館長),西山 徹委員(味の素株式会社 技術特別顧問),坂東昌子委員(愛知大学 名誉教授)である。理学系研究科からは山本正幸研究科長,酒井英行副研究科長,山形俊男副研究科長,常行真司研究科長補佐,茅根創研究科長補佐,野中勝研究科長補佐,川島隆幸環境安全管理室長,横山広美広報・科学コミュニケーション担当准教授,および事務部から平賀事務長,高橋副事務長が出席した。

諮問会に先立ち,理学部2号館において 生物科学専攻の二つの研究室を見学していただいた。まず発生生物学研究室では,上田貴志准教授から,組織・器官形成や液胞の形成・維持を通して細胞内の恒常性維持や環境応答に重要な役目を担うダイナミックな"膜交通"に関して説明を受けた。種子植物に特有の遺伝子VAMP727が陸上の乾燥気候に耐えるべく,液胞内にタンパク質を蓄積する機能をもつことの解明など,高性能の光学顕微鏡を用いた最近のカラフルな成果に活発な質問が飛んでいた。 次いで,動物発生学研究室の武田洋幸教授から,人類を含む脊椎動物に共通の発生異常や突然変異の解明を目指して進められているメダカとゼブラフィッシュの器官形成の最新の研究について解説を受けた。メダカは日本発の実験生物であり, そのゲノム研究では世界のフロントを行くという。研究室の扉を開けると広がる異次元の世界 - 整然と並べられた数えきれない小型水槽とその内を泳ぐ多数のメダカ -に驚嘆の声が聞かれた。

理学部1号館に戻り,堀田委員長の司会のもとで開催された諮問会では,まず山本研究科長から理学系研究科・理学部の現状について報告が行われた。次いで大学院カリキュラムについて報告がなされ,関連するさまざまなご意見をいただいた。OECD諸国の中で最低水準にある基礎研究費を増やすべく,きちんとした枠組みを文部科学省予算の中に導入する必要がある事, このためには東京大学として意見を具申して行くことが大切である事,基礎研究と産学連携の重要性について,経団連側だけでなく,大学側でも考えること,大学の定員とは何か考え直す必要性,特に少子化の折から,留学生を理工系で増やすためにまずインフラを充実させる必要がある事など,どれも極めて重要なご指摘であった。東京大学理学系研究科は日本国だけでなく人類の基礎研究を担っているというくらいの意識が欲しいという叱咤激励には目が覚める思いであった。この時点で話は大いに弾み,プロジェクト志向の行き過ぎや予算配分のあり方の問題,とくに競争的資金だけでなく,本来備えるべきものにきちんと手当てする予算措置の必要性,さらには学術会議や国立大学協会のあり方,政治の貧困にまで議論は及んだ。ここまでで大半の時間を使ったが,極めて有益であったと思う。男女共同参画,広報活動,学生支援室,環境安全管理室,中期計画中間評価などについても短時間ではあったが報告がなされ,それぞれについて貴重なご意見をいただくことができた。

引き続き山上会館で行われた懇親会では,話題は基礎科学の重要性,ネーチャーやサイエンスへの出版ばかりを目指すことの弊害,研究者評価とh-index,PD問題, 大学院重点化の問題,学生気質の変化など談論風発のなかで予定したスケジュールは瞬く間に終了した。諮問会委員の方々からいただいた貴重なご意見を今後の理学系研究科・理学部の運営に大いに役立てて行きたいものである。

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