大盛況だった理学部オープンキャンパス2008
広報委員長 常行 真司(物理学専攻 教授)
地球惑星科学専攻の展示(理学部1号館3階336号室)
理学部1号館1階ピロティの受付のようす
リガクルミラクル女子中高生のための相談コーナーのようす
自分の高校時代を振り返ってみると,大学がどんなものなのかまったくわからなくて,大学生といえば三四郎,大学教授は「吾輩は猫である」に登場する寒月先生並みの浮世離れした変人,というイメージを持っていたように記憶している。広報委員会・広報室で企画する「高校生のためのサイエンスカフェ」や「visit東大理学部プログラム」,「理学部公開講演会」など,最近は高校生が理学部の研究にふれられる機会も増えたが,来場者の人数でも受け入れ側の体制でもずば抜けて規模が大きい企画といえば,東京大学オープンキャンパスの一環として行われる「理学部オープンキャンパス」である。
2008年の理学部オープンキャンパスは,7月31日(木)に開催された。用意された企画は学生による2回の小柴ホール講演会,各学科の教員による7会場15回の講演会,30を超える展示,20箇所を超える研究室ツアーなど多種多彩であった。来場者は昨年とほぼ同数の約2700人(受付票記入者)で,これは東大オープンキャンパス本郷地区参加者7000人の約4割にあたる。理学部にこれだけ集中したのは,企画の豊富さに加え,他部局の多くの企画と違って事前申し込みが一切必要ないという受け入れ態勢の柔軟さのためだろう。講演会はすべての会場,すべての回がほぼ満席で,一部立ち見もありという大盛況だった。各学科ではこのほかに「コミュニケーションスペース」を設けて,中高生が大学生に自由に質問をぶつけられるようになっていたが,とくに今年は男女共同参画委員会の新企画として「リガクルミラクル女子中高生のための相談コーナー」が設置され,待ち行列ができるほどの人気だった。天候に恵まれ,全体的に事故もなくひじょうに順調で,トラブルといえば2300部も用意してあったパンフレットが予想を超えた来場者に底をつくという,うれしい誤算があったことくらいである。
理学部オープンキャンパス実施にあたっては,実行委員長の小形正男教授,広報室の横山広美准教授,平賀勇吉事務長が中心となって,綿密な準備と人の手配がなされた。運営マニュアルの作成,充実したパンフレットの発行,各号館受付の設置,色テープによる動線の表示,建物内には指示板を貼り,各企画入口には昨年用意した大きな旗を掲げる,というところまでが前日の準備である。理学部総合受付付近には,昨年のオープンキャンパスを契機に結成された学生団体"0to1(ゼロトゥーワン)"の皆さんが,印象的な展示を用意してくださった。当日は受け付けでのパンフレット配布,アンケート回収に加え,各号館への見学者の誘導・引率,行き先に迷う高校生への声かけ,企画への呼び込みなど,各学科TA,理学部事務部,広報室,情報システムチームの皆さん,企画担当の教員が,理学部マークとともに「解かれていない謎がある」という今年のキャッチフレーズの書かれた山吹色のTシャツを着て走り回ってくださった。運営にご協力くださった皆さんに,この場を借りて心よりのお礼を申し上げたい。