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海洋メタンハイドレートの国際共同研究始まる

松本 良(地球惑星科学専攻 教授)

図1

ブラジル国営石油公社ペトロブラスとの調印式での記念撮影

地球惑星科学専攻の地球生命圏/地圏環境進化グループを中心とする研究グループ(TEAM UT04)は,ブラジル国営石油公社ペトロブラスと本年より4年間の共同研究プロジェクトを発足させた。

写真は調印式のもので,中央がペトロブラス研究センターのアドリアーノ・ヴィアーナ博士(Dr. Adriano Viana)と山本研究科長。ペトロブラスはブラジル国内や西アフリカ沖などで探査開発事業を展開しており,世界で8番目にランクされる石油メジャーである。ブラジル沖合にはメタンハイドレート資源が広く分布している。今回の東大との共同研究プロジェクトのペトロブラス側の目的は,TEAM UT04が進めている海洋のメタンハイドレートに関する学術調査に参加することで,ブラジル沖のメタンハイドレート開発プロジェクトを担う人材を養成することにある。

これまでTEAM UT04は,直江津沖〜北海道奥尻沖など日本海東縁でメタンハイドレート試料を多数回収し,海底から立ち上がる大規模なメタンバブルの柱(メタンプルーム)を発見するなど,海洋のメタンハイドレートの起源と分布について新知見を明らかにしてきた。ペトロブラスとの共同研究では,石油メジャーとしての卓越した探査技術とノウハウが海洋のメタンハイドレートの理解を質的にも量的にも深化させるだろう。若手研究者の人材交流も重要な柱と謳われており,本共同研究がメタンハイドレートの研究と教育の両面で大きな成果を上げることが期待される。

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