このウェブサイトではJavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。正常に表示させるためにはJavaScriptを有効にしてください。ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した過去のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。

ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した2021年11月18日時点のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。収集時のURLは http(s)://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/topics/2008/01/06.html ですが、このURLは既に存在しない場合や異なるサイトになっている場合があります。

(注記)このページの著作権について

ヘルプ


保存日:

ヘルプ


保存日:

ご覧いただいているのは国立国会図書館が保存した2021年11月18日時点のページです。このページに掲載されている情報は過去のものであり、最新のものとは異なる場合がありますのでご注意下さい。収集時のURLは http(s)://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/topics/2008/01/06.html ですが、このURLは既に存在しない場合や異なるサイトになっている場合があります。

(注記)このページの著作権について

  1. ホーム
  2. 理学部ニュース
  3. 2008年1月号(39巻5号)

第4回日本学術振興会賞を本研究科教授2名が受賞

広報誌編集員会

日本学術振興会賞は,我が国の創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を顕彰し,その研究意欲を高め,研究の発展を支援していくために45歳未満の研究者を対象とし,平成16年度に創設された賞です。平成19年度第4回に,化学専攻・大越慎一教授と生物科学専攻・塚谷裕一教授が受賞されました。

大越慎一教授,日本学術振興会賞の受賞を祝して

岩澤 康裕(化学専攻 教授)

大越慎一教授(化学専攻)

化学専攻の大越慎一教授は,「磁気化学を基盤とした新規磁気物性の創出に関する研究」で日本学術振興会賞を受賞した。日本学術振興会賞は,後のノーベル賞にも繋がる将来の学術研究の若手リーダーを顕彰するものであり,たいへん名誉で格の高い賞である。大越教授は,物性化学,磁気化学および光化学をベースに,高度な化学合成技術により強磁性物質を作製し,これまでには無かった新規な磁気機能性を多数発見して,分子磁性ならびに強磁性金属錯体分野を先導している。また,強磁性体の非線形光学効果に早くから着目し,磁化誘起第3高調波発生を世界で初めて観測に成功するなど,非線形磁気光学効果の分野でも先導的な立場にある。

大越教授の受賞対象業績のいくつかを紹介すると,たとえば,ヘキサシアノ架橋型金属錯体をベースに,熱により磁極が二回反転する磁性材料,負の保磁力を示すバルク磁性材料の開発に世界に先駆けて成功している。また,オクタシアノ金属酸イオンを構築素子として有機配位子と組み合わせることで,0次元から3次元までのさまざまな磁気構造を備えた金属錯体強磁性体の合成にも初めて成功した。さらに,光と磁気の相関現象という観点から,光により磁極が反転する現象(光誘起磁極反転)を発見している。

近年は,湿度応答型強磁性体の実現に成功したのをはじめ,化学的刺激に応答する多数の磁性材料を開発し,また,金属酸化物磁性体として世界最高の保磁力を示すε- Fe2O3ナノロッドの作製に成功するなど,新たな材料創生の領域を切り拓いている。これらの研究成果はその実用化に向けて産業界からも大きな脚光を浴びている。

大越教授の分子磁性,光磁性分野における革新的研究成果は,物性化学に新しい視座を与えるものであり,国際的にも高く評価されての受賞である。大越慎一教授の傑出した業績に敬意を表すと共に日本学術振興会賞受賞に対して心よりお祝い申し上げたい。

塚谷教授,日本学術振興会賞受賞,おめでとうございます

米田 好文(生物科学専攻 教授)

塚谷裕一教授(生物科学専攻)

本学部生物科学専攻塚谷裕一教授が平成19年度日本学術振興会賞を受賞されました。塚谷博士は神奈川県生まれ,本学理学部出身で大学院理学系研究科を経て博士号取得後,東京大学分子細胞生物学研究所の助手に採用されました。その後,1999年に岡崎共同利用研究機構・基礎生物学研究所助教授となられました。さらに2005年には,本学生物科学専攻教授に異動され現在に至っています。今回の受賞は,この間の研究や教育における功績が評価されたものです。

塚谷博士は植物各分野に渡る膨大な知識に基づき,おもに分子遺伝学的手法で目覚ましい業績をあげてきています。とくに,実験植物シロイヌナズナの葉がどのようにつくられるかと言った発生分子遺伝学的研究では,葉の平面性に関する遺伝的制御が,縦横二次元に分割できることを世界に先駆けて初めて示しました。また器官レベルでの細胞の振る舞いを制御するこれまで未知であったシステム(補償作用と呼びます)の存在を指摘するなど,多くの新知見を発表しこの領域を世界的に主導しています。とくに葉の二次元展開に関する研究成果は,すでに海外の発生学の教科書にも引用されるなど,国際的にも評価が確立しています。

塚谷博士はフィールドワークに基づく実地の植物多様性の研究にも尽力し,新種の発見など系統分類学的業績も並行して挙げています。このような分類,形態,進化の側面の知識にもとづき,シロイヌナズナ研究の成果は植物多様性の分子遺伝学基礎研究へつながるものと,その発展が期待されています。

さらには,数多くの普及書・啓蒙書の出版などを通して,社会への知の還元と,植物に対する人々の知的好奇心の裾野を拡げる活動にも関与しておられます。

このように塚谷博士はご自身で研究を推進するとともに,今後広い視野に立って植物科学分野全体の発展に大きく貢献する人材と期待されています。今後ますますの発展を期待しています。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /