理学系研究科で開講されている魅力ある大学院共通プログラム(全学公開)
岡 良隆(生物科学専攻 教授)
教育クラスター講義IIでの上島励教授(生物科学専攻)の講義「いかにして生物の多様性を理解するか?」の様子
理学系研究科は,2005〜2006年度に文部科学省支援の「魅力ある大学院教育」イニシアティブに,「理学系大学院教育先導プログラム」(IPEGSS)として採用されたことをきっかけに,二つの理学系共通講義,「教育クラスター講義」と「先端科学技術特論」を新たに開講したが,本年度も夏学期にこれら2つの講義を開講した。
「教育クラスター講義」では,全6専攻の教員による「生命」,「環境」を切り口とした講義を行った。3日間にわたる講義には,連日60〜70名の理・工・農・薬系などの大学院生・学部生が出席し,12名の講師陣による基礎から最先端にわたる講義が行われた(2007年7 月3日〜5日:小柴ホール)。
「先端科学技術特論」では,企業の研究員や産学連携に関連した学内教員などに最先端の科学技術に関する講義をお願いした。理学部2号館講堂にて,7月17日には小野通隆氏(東芝)による新世代超伝導マグネットに関する講義,7月18日には松井和彦氏(味の素)によるアミノ酸発酵とタンパク質発酵に関する講義,7月19日には岡崎正樹氏(富士フイルム)による共役π電子系有機機能材料に関する講義,7月20日には太田邦史教授(総合文化研究科)による遺伝子再編成に関する新しいバイオテクノロジーに関する講義,が行われた。
基礎研究にも広く通用するような重要な視点を具体的に指摘していただき,きわめて興味ある講義内容であったが,必ずしも講師の先生方が期待したような活発な質疑応答が行われない場合もあり,学生の積極的な講義への取り組みも今後,期待したいところである。