望遠鏡ものがたり
柴橋 博資(天文学専攻)
理科年表によると、レンズを組み合わせた望遠鏡は17世紀初頭に、オランダの眼鏡師リッペルスハイにより発明されたとある。この発明を聞いたガリレイは、直ちに望遠鏡を製作し、月や惑星、天の川などの天体に望遠鏡を向け、人類に多くの新たな知見をもたらした。以降、天文学、宇宙の探求に、望遠鏡は不可欠の器械となり、天文学の発展は望遠鏡の発達と軌を一にしてきたと言っても過言ではあるまい。今日では、可視光だけでなく、X線、赤外線、電波まで、広い電磁波の波長域、更には宇宙線、素粒子を使って宇宙の探求がなされるようになった。その意味において、望遠鏡の語意は天体・宇宙からの信号検出器にまで一般化されよう。天体・宇宙に関する最先端の研究が多くなされている本学でも、様々な望遠鏡が活躍している。このシリーズでは、これらの望遠鏡にまつわる話を、関係する先生達にご紹介して頂く。
- 第1回 クエーサーを狙うマグナム望遠鏡 吉井 讓(天文学教育研究センター)
- 第2回 富士山頂サブミリ波望遠鏡を支える人たち 山本 智(物理学専攻)
- 第3回 ある日の木曽観測所 中田 好一(天文学教育研究センター木曽観測所)
- 第4回 地下室から宇宙をのぞく 蓑輪 眞(物理学専攻)
- 第5回 天の川銀河の地図を作る―60cmサーベイ望遠鏡― 半田 利弘(天文学教育研究センター)
- 第6回 3つの赤外線望遠鏡 川良 公明(天文学教育研究センター)
- 第7回 進化する宇宙冷却赤外線望遠鏡 尾中 敬(天文学専攻)