ひまわりリアルタイムWeb広域負荷分散システム実験運用開始。
2021年7月16日
国立研究開発法人情報通信研究機構
ひまわりリアルタイムWebの安定運用実験のため、情報通信研究機構、京都大学、千葉大学はL2VPN網を活用した負荷分散システムを構築し、実運用実験を開始しました。
概要
ひまわりリアルタイムWebの安定運用実験のため、情報通信研究機構総合テストベッド研究開発推進センター、京都大学学術情報メディアセンター、および千葉大学環境リモートセンシング研究センターはL2VPN網を活用した負荷分散システムを構築し、実運用実験を開始しました。本実験は、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)プログラムの一環として実施しているものです。今後、九州大学、信州大学、筑波大学などでも広域負荷分散サイトを拡張し、特定拠点が停電の場合や大型台風接近により1日100万をこえるアクセス時にも安定稼働するWebサイトを構築します。
詳細
ひまわりリアルタイムWebはNPO太陽放射コンソーシアムの協力により実験的運用を行っているひまわり衛星画像のリアルタイム配信システムです。年々、国内外からのアクセス数が増加しており(図1)、2021年度も300万アクセスを超えることが予想されています。図2は2019年と2020年のアクセス数の推移です。2019年10月の大型台風19号接近時にひまわりリアルタイムWebへのアクセスが急激に増加し、WebサーバのCPU負荷が1600%を超え、アクセスができない状況が発生しました。また、これ以外にも情報通信研究機構など学術研究機関設置サーバは一般に計画停電時に停止するため、継続的運用(BCP:事業継続計画)が課題となっていました。情報通信研究機構総合テストベッド研究開発推進センターでは、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)プログラムの一環として、京都大学、千葉大学をJGN(Japan Gigabit Network)およびSINETによるL2VPN網で接続し、各拠点にWebサーバを立ち上げることで、広域負荷分散システムを実現しました(図3)。負荷分散システムの実証実験は2021年7月に開始する予定です。今後は九州大学、信州大学、筑波大学などにも負荷分散サイトを立ち上げ、特定拠点が停電の場合にもBCPが実現されるより高度な冗長化システムを実現する計画です。これにより、大型台風接近時の1日100万をこえるアクセス時にも安定稼働するWebサイトを構築します。
関連Webサイト
ひまわりリアルタイムWeb (負荷分散システムに移行してもアドレスの変更はありません)
キーワード
- ひまわりリアルタイムWeb
- JGN
- SINET
- JHPCN
- 負荷分散
関連組織
- 京都大学 学術情報メディアセンター
- 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター
- NPO太陽放射コンソーシアム
用語解説
ひまわりリアルタイムWeb
NICTが開発しNPO太陽放射コンソーシアムの協力により実験的に運営している気象衛星ひまわりのリアルタイム画像公開用Webサイト(https://himawari.asia)。ひまわり衛星のすべてのデータを最高解像度で公開している点に特徴がある。
Business Continuity Plan(BCP:事業継続計画)
災害やシステム障害などの危機的状況下でも業務継続の方策を用意し、実際に継続を実施する計画。なお、事業継続のための戦略はBCM(Business Continuity Manage ment)と言う。
謝辞
本プロジェクトは学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)プログラムの一環として実施しています。ひまわりリアルタイムWebのデータは文部科学省科学研究費補助金(JP19HP8020、JP17HP8019)により一部を構築しています。
本件に関する問い合わせ先
総合テストベッド研究開発推進センター
担当:村田 健史
Tel: 042-327-7931
E-mail:
SciCloud-officeアットマークml.nict.go.jp