データ同化スーパーコンピュータシステムがHPCIへの計算資源の提供を開始。
ISM2014-03
2014年7月吉日
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(所在地:東京都立川市、所長:樋口知之)では本年度4月から稼働している最新の共有メモリ型スーパーコンピュータシステムであるデータ同化スーパーコンピュータシステム(愛称「A」, *1)での革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI, https://www.hpci-office.jp)への計算資源の提供を開始しました。
「A」はシングルシステムとして世界最大の64TBの共有メモリを搭載したSGI社製大規模共有メモリ型サーバを中核とするシステムです。この「SGI UV 2000」2台構成で構築される本システムは、システム合計5,120プロセッサ、総メモリ容量128TBという共有メモリ型としてはこれまでにない規模のシステムです。
HPCIでは「京」と全国の大学や研究機関に設置されたスパコンを高速ネットワーク(SINET4)で結び、多様なユーザーニーズに応える革新的な共用計算環境が構築されています。HPCIではSSO(Single Sign On)と呼ばれる機能が実装されており、ユーザーは利用権のある計算資源をシームレスに使うことができます。このように全国の幅広いハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)ユーザー層がHPCリソースを効率よく利用できる仕組みが提供されています。統計数理研究所は大学共同利用機関としては初めてHPCIへ参画しています。提供資源量は「SGI UV 2000」の計算ノード128ノード(49.152 TFLOPS)で、ノードあたり384 GFLOPS以上です。計算ノードはIntel Xeonプロセッサ、512GBの主記憶装置で構成されます。これは「A」の50%に相当します。コンパイラとしてFortran, C, C++, OpenMPを備え、さらに数値演算ライブラリとしてNAG及びIMSLが利用可能です。「SGI UV 2000」はスーパーコンピュータの大規模データ処理性能を計測するベンチマークテストであるGraph 500及び Green Graph500でも高い性能を記録しました(*2)。これらのテスト結果が示すとおり、大規模データ解析に必須な広大なメモリ領域を活かした計算が可能です。
今回のHPCIへの参画により、今後、統計数理研究所の研究領域である予測と意思決定のためのモデリング研究とビッグデータ分析の融合が期待されます。
(*1) http://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2014-01.html
(*2) http://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2014-02.html
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