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草津白根火山の噴火に関する情報

火山研究情報 トップへ

草津白根火山の噴火に関する情報 [2018年1月]

活断層・火山研究部門
更新:2018年 4月24日
開設:2018年 1月24日

はじめに

群馬県の草津白根火山の本白根山で2018年1月23日に噴火がありました。産総研・地質調査総合センター(GSJ)では噴火当日から現地調査を開始するとともに、噴出物の分析など、噴火活動の実態を明らかにするための調査・研究を開始しました。
本ウェブサイトでは、GSJによる調査・研究の成果を迅速に公表してまいります。なお、記載された内容は、今後の調査研究の進展により修正・変更することがあります。

2018年噴火の概要と対応

本白根山の鏡池付近で1月23日10時02分頃(気象庁発表)に噴火が発生しました。草津国際スキー場において放出された噴石による被害が生じ、爆発音や空振も確認されました。報道映像からは、鏡池の北0.5kmの鏡池北火砕丘(名称は高橋ほか(2010)より)付近から噴火が起こったと考えられ(図1)、北東方向に噴石や火山灰が降下しました。
GSJでは噴火当日から研究者を現地に派遣し、調査を実施するとともに、噴出物の分析などを進めています。

図1 報道映像より推定した今回の噴火の火口範囲と降灰域。
草津白根火山地質図(1983)に地形陰影を重ねたものを切り出して作成。 [2018年1月25日追記]

現地調査(速報)および噴出量推定について

2018年1月31日掲載

噴火当日の夕方に現地に到着したGSJの調査班は、ロープウェイのゴンドラ内の座席から採取された火山灰試料(写真1)を気象庁から受け取り、観察のために1名がその日のうちにつくばに持ち帰りました。現地に残った2名は噴出物分布調査を翌日から2日間(1月24日〜25日)実施しました。この分布調査については気象庁、東京工業大学草津白根火山観測所、東京大学地震研究所、防災科学技術研究所、富士山科学研究所、富山大学、帝京平成大学と連携して実施しており、後日、調査データを集約して全体の噴出量を計算し報告する予定です。

調査前に連携機関と調査場所等を調整する(現地1月25日朝の様子)。

一定面積の火山灰試料は雪とともに持ち帰ったため、雪を溶かして乾燥させ秤量する。

乾燥させた火山灰試料(30cm四方で採取、大きな塊は乾燥時に表面で固まった粘土)。
火口から北東2.8km付近の降灰主軸あたりでは823g/m2(GJ02)の値を得た。

火山灰試料の処理の様子(1月26日、産総研)。

2018年1月25日掲載

火口から北東2.8km付近での噴出物分布調査の様子。(1月24日、群馬県草津町)

1月23日噴火の火山灰層。その後の降雪により雪に挟まれている。

2018年1月24日掲載

写真1 噴石により窓ガラスが割れたロープウェイのゴンドラ内の座席から採取された火山灰及び噴石
(気象庁により1月23日採取・提供)

噴出物の観察結果(速報)

2018年1月25日掲載

噴出物の観察の様子。(1月24日、産総研)

2018年1月24日掲載

草津白根火山2018年1月23日噴火の噴出物(気象庁提供、写真1)の構成粒子解析を、防災科学技術研究所と共同で実施しました。観察には水洗、ふるい分けした125〜250μm及び250〜500μmの粒子を用いました。
1月23日噴火の噴出物(写真2)は、既存の山体の構成物と考えられる変質粒子が約8割を占めるため、今回の噴火は水蒸気噴火である可能性が高いと思われます。

写真2 2018年1月23日の噴出物の構成粒子(250〜500μm)。
H: 白色粒子、L:変質した溶岩片、G:ガラス光沢を呈する緻密〜発泡した粒子。

草津白根火山の活動履歴 [2018年1月24日掲載]

草津白根火山は群馬県の北西部に位置する活火山です。白根山、本白根山などの火砕丘群と、そこから東及び南側に流出した溶岩(殺生溶岩など)、裾野に広く分布する火砕流堆積物などから構成されます。草津白根火山の活動開始は約60万年頃、最新のマグマ噴火は約3,000年前*の本白根火砕丘群の噴火で、歴史時代の活動は白根山の湯釜などのいくつかの火口周辺での水蒸気噴火に限られていました。最新の噴火は1982-83年の湯釜及び涸釜の水蒸気噴火で、殺生河原付近まで降灰したことがわかっています。1932年の噴火ではラハール(火山泥流)も発生し、噴石のため2名の死者と7名の負傷者が出たことが記録されています。また、噴火以外での人的被害として1976年には火山ガスにより3名の死者も出ています。
*最近、1,200〜1,500年前までマグマ噴火していたという研究成果もあります(濁川ほか,2016)。

火山噴火予知連絡会資料

「草津白根山降灰合同調査班*」として、火山噴火予知連絡会に提出した資料を公開しました。
*草津白根山降灰合同調査班:気象庁,産業技術総合研究所,帝京平成大学,東京工業大学,東京大学地震研究所,富山大学,防災科学技術研究所,山梨県富士山科学研究所

産総研から火山噴火予知連絡会に提出した資料を公開しました。

関連情報

産総研・地質調査総合センターでは、草津白根火山に関して、以下の情報を公開しています。

引用文献

  • 宇都浩三,早川由紀夫,荒牧重雄,小坂丈予(1983)草津白根火山地質図,火山地質図 No.3,地質調査所,10p.
  • 濁川 暁,石崎泰男,亀谷伸子,吉本充宏,寺田暁彦,上木賢太,中村賢太郎(2016)草津白根火山本白根火砕丘群の完新世の噴火履歴,日本地球惑星科学連合2016年大会予稿,SVC48-11.
  • 高橋正樹,河又久雄,安井真也,金丸龍夫(2010)草津白根火山噴出物の全岩主化学組成-分析データ306個の総括-,日大紀要,45,205-254.

更新履歴

  • 2018年 4月24日:「関連情報」に「GSJ地質ニュース Vol.7 No.2」「IEVGニュースレター Vol.4 No.6」を追加。
  • 2018年 2月26日:「火山噴火予知連絡会資料」を追加。
  • 2018年 1月31日:「現地調査(速報)および噴出量推定について」へ追加掲載。
    2018年1月25日掲載写真のキャプション修正:火口から北東2.8km(「北東」を追記)。
  • 2018年 1月29日:噴火発生時刻を修正:1月23日10時02分(誤:9時59分)頃(気象庁発表)。
    現地調査(速報)2018年1月25日掲載写真のキャプション修正:
    火口から2.8km(誤:4km)付近での噴出物分布調査の様子。(1月24日、群馬県草津町)
  • 2018年 1月26日:「火山噴火予知連絡会資料」「引用文献」を追加。
  • 2018年 1月25日:「現地調査(速報)」「噴出物の観察結果(速報)」へ追加掲載及び「関連情報」の図名修正及び地質情報配信サービス・地質ニュースへのリンクを追加。

問い合わせ先

産総研地質調査総合センター

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