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平成28年(2016年)熊本地震及び関連情報

English

平成28年(2016年)4月14日に発生した熊本地方の地震の関連情報

2017年2月13日 更新
2016年4月15日 開設

2016年4月14日21時26分頃、熊本県熊本地方を震源としたマグニチュード6.5(気象庁暫定値)の地震が発生しました。産総研地質調査総合センターでは、 地震の発生を受けて、組織的な対応を取るため「緊急地震調査対応本部」を設置しました。地質調査総合センターでは、本ウェブサイトを通じて本地震に関する 研究情報を発信して参ります。

[2016年4月18日 追記]
本ウェブサイト開設後、2016年4月16日午前1時25分頃に、さらに規模の大きな地震が発生し、活発な地震活動は熊本県阿蘇地域、大分県別府地域にも広がっています。 地質調査総合センターでは、今回の九州中部地域を中心とする地震活動などに関する調査結果等につきまして本ウェブサイトを通じて、ご紹介していく予定です。

[2016年5月13日 追記]
本地震についての緊急調査を終了し、2016年5月9日をもって地質調査総合センター「緊急地震調査対応本部」を解除しました。今後の調査研究については、通常の体制で行っていく予定です。

関連する主要なウェブサイトのご紹介

熊本地震の活断層のトレンチ調査と一般公開の実施[掲載:2017年2月13日]

日奈久断層帯の甲佐町白旗山出地区で実施したトレンチ調査を地元向けに2日間、一般公開しました。約4m 地面を掘り下げ、約1万5千年前の地層まで観察できました。

2016年4月19〜5月3日の現地調査 概要報告

2016年4月19日〜5月3日に日奈久断層帯及び布田川断層帯に沿って地表地震断層調査を広域的に行い、その中間取りまとめとしての報告です。本資料は5月13日開催の第290回地震調査委員会資料としても用いられます。

追加情報:中央構造線に関する現在の知見[掲載:2016年5月13日]

今回の2016年熊本地震に関連して、中央構造線についてさまざまな専門家が見解を述べています。ここでは地質学の面から見た中央構造線について整理します。

追加情報:熊本地震による地下水資源への影響について [掲載:2016年4月26日]

産総研の水文環境図No.7「熊本地域」に基づき、熊本市やその周辺の市町村地下の地下水資源について考察した結果を報告します。

2016年4月16〜17日の現地調査 概要報告

2016年4月15日から17日にかけて、熊本県益城町を中心に現地調査を行いました。
現地で、地表に現れた地震断層を確認しましたので、その概要を速報として報告します。

「第二報」 2016年4月15日からの九州中部の地殻活動関連情報[2016年4月16日]

2016年4月15日からの九州中部の地殻活動関連情報を掲載します。
熊本県から大分県にかけて活発になった地震活動情報、南阿蘇村の斜面崩壊、阿蘇火山に関する情報を掲載します。

九州中部の地震活動と周辺の地質

余震分布と周辺の地質 図 1 平成28年(2016年)熊本地震の4月14日 21時26分の地震(M=6.5)、4月16日 1時25分の地震(M=7.3)の震央(オレンジの丸:気象庁暫定解)及び余震の震央分布(青丸)。余震は、国立研究開発法人防災科学技術研究所Hi-net地震観測システムの自動処理結果(2016年4月14日0時〜4月16日12時)による。丸の大きさはマグニチュードに比例している。赤線は活断層を表す。基図は、20万分の1日本シームレス地質図による。

地震は日奈久断層帯北部から布田川断層帯北部、阿蘇山を経て別府-万年山断層帯分布域に連続する。別府湾から九重・阿蘇を経て島原半島に至る延長約200 km、幅20〜30 kmの範囲には溝状の地質構造が存在し、「別府-島原地溝」と呼ばれている。余震分布は、おおまかには「別府-島原地溝」沿いに分布している。ただし、地溝南部にも延びている。

20万分の1地質図に震央分布を示した図(震源地域周辺)

図 2 20万分の1地質図に震央分布を示した図(震源地域周辺)

図 3 20万分の1地質図に震央分布を示した図(震源地域周辺)

図2、3 今回の地震の震源となった日奈久断層帯や布田川断層帯は、白亜紀の付加体(緑川断層帯の南側)やジュラ紀の変成岩(同断層帯の北側)からなる丘陵部と熊本平野や 八代平野との境界に位置する活断層である。4月14日の地震(M 6.5)の震源は日奈久断層帯上に、4月16日の地震(M 7.3)は布田川断層帯上に位置している。青丸は国立研究開発法人防災科学技術研究所Hi-net地震観測システムの自動処理結果による震央を示す(2016年4月14日0時〜4月16日12時)。オレンジ色の丸は気象庁暫定解による4月14日に発生したM6.5の地震及び4月16日に発生したM7.3の地震の震央を示す。基図は、20万分の1地質図幅「熊本」(2004)「八代及び野母崎の一部」(2010)を使用。(2016年4月18日;活動の進展、震源位置の再解析にともない、最新の震源分布図に修正)

20万分の1地質図に震央分布を示した図(阿蘇カルデラ周辺)

20万分の1地質図に震央分布を示した図(阿蘇カルデラ周辺) 図 4 4月16日にM 7.3の地震が発生した後に、阿蘇カルデラ周辺で地震活動が活発化した。震央は阿蘇カルデラの北部に集中しており、その分布は北東-南西方向に延びている。
丸は国立研究開発法人防災科学技術研究所Hi-net地震観測システムの自動処理結果(2016年4月14日0時〜4月16日12時まで)。丸の大きさはマグニチュードに比例している。基図は、20万分の1地質図幅「熊本」(2004)「大分」(2015)を使用。

20万分の1地質図に震央分布を示した図(別府周辺)

20万分の1地質図に震央分布を示した図(阿蘇カルデラ周辺) 図 5 4月16日にM 7.3の地震が発生した後に、大分県別府市や由布市で地震活動が活発化した。震央は別府-万年山断層帯上に位置しており、その分布方向(東北東-西北西)も同断層帯の走向と調和的である。
丸は国立研究開発法人防災科学技術研究所Hi-net地震観測システムの自動処理結果(2016年4月14日0時〜4月16日12時まで)。丸の大きさはマグニチュードに比例している。基図は、20万分の1地質図幅「大分」(2015)「中津」(2009)を使用。

南阿蘇村の斜面崩壊について

火山地質図 No.4「阿蘇火山地質図」 図 6 2016年4月16日未明のM7.3(気象庁による)の地震で、南阿蘇村周辺で多くのがけ崩れが発生した。
黒川にかかる阿蘇大橋西側の斜面では特に大規模な崩壊が発生した。ここは阿蘇カルデラの西縁で以前の先阿蘇火山(80〜40万年前)の溶岩や火砕岩が分布する。カルデラ壁は一般に急傾斜で、今回のような大きな地震動で崩壊することがある。このほか地獄温泉などの温泉地の崩壊は、後カルデラ火山の溶岩流からなる急傾斜地で起きたものである。図は、火山地質図 No.4「阿蘇火山地質図」(1985)。

崩壊地周辺の拡大図(基図は、火山地質図 No.4「阿蘇火山地質図」) 図 7 崩壊地周辺の拡大図(基図は、火山地質図 No.4「阿蘇火山地質図」(1985))

「第一報」 余震分布と周辺の地質[2016年4月15日]

余震分布と周辺の地質

余震分布と周辺の地質 説明:図は産総研シームレス地質図に、今回の本震の震央とおよその余震の分布を重ねたものです。点線の枠内の丸は国立研究開発法人防災科学技術研究所Hi-net地震観測システムの自動処理結果による本震と余震(2016年4月15日9時まで)

点線の枠内の拡大図(基図は20万分の1地質図幅)

その他の関連情報

産総研・地質調査総合センターでは、地質図及び阿蘇火山中岳の2014年からの一連の噴火等に関して、以下の関連情報を公開しています。

修正履歴

    2017年2月13日
  • 「熊本地震の活断層のトレンチ調査と一般公開の実施」のページを追加しました
    2016年5月13日
  • 「第四報」 緊急現地調査報告を追加
  • 「中央構造線に関する現在の知見」のページを追加しました
    2016年5月2日
  • 「九州地域の活断層と震央分布(地質図Navi)」のリンク先変更及びコメント追加
  • 「第二報」の図1と図2、3のキャプションを修正
    2016年4月27日
  • 九州地域の活断層と震央分布(地質図Navi):リンク先変更、表示説明を修正
    2016年4月26日
  • 「熊本地震による地下水資源への影響について」のページを追加しました
  • 九州地域の活断層 (地質図Navi)―>九州地域の活断層と震央分布(地質図Navi):タイトル変更、リンクへ表示説明を追加、リンク先変更
    2016年4月22日
  • 英語ページを公開
  • 衛星画像(地質図Navi)を追加
    2016年4月19日
  • 「第三報」 緊急現地調査報告を追加
    2016年4月18日:地震活動の推移に従い、下記を修正
  • HP表題:平成28年(2016年)熊本地震[2016年4月14日] ―> 平成28年(2016年)熊本地震及び関連情報
  • 図1、2を最新の震源解析結果を反映したものに差し替え
  • 「関連する主要なウェブサイトのご紹介」を追加

問い合わせ先

産総研地質調査総合センター

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