つくばセンター金丸所長の写真
金丸 正剛
産総研つくばセンター所長
産総研つくばセンター所長の金丸です。
“科学の街“茨城県つくば市にある産業技術総合研究所(以下、産総研)つくばセンターは、前身の組織が首都圏から移転して40年以上が経過し、独立行政法人(2015年より国立研究開発法人)となって20年が経過しようとしています。産総研は、この間に蓄えた科学技術の成果と産業界への成果の「橋渡し」を通じて、イノベーション創出と社会課題の解決に向けて様々な挑戦を続けています。
産総研つくばセンターには、産総研全体のおよそ70パーセントの研究者や施設が集積しており、北海道から九州まで全国11箇所の産総研研究拠点の中で、中核的役割を果たしています。つくばセンターでは、エネルギー・環境領域、生命工学領域、情報・人間工学領域、材料・化学領域、エレクトロニクス・製造領域、地質調査総合センター、計量標準総合センターの7つの技術領域にわたる幅広い研究をカバーするとともに、領域を融合したこれまでにない新しい研究成果を創出することを目指しています。さらに、基礎的・基盤的研究から実用に供されるような製品化の研究までを一貫して行い、我が国の産業を革新する「オープンイノベーションハブ」の役割を果たそうとしています。
「オープンイノベーションハブ」の一つとして、つくばの地に世界的なナノテクノロジーの研究拠点を構築するため、つくばイノベーションアリーナ(TIA -nano)の活動を、2009年から筑波大学、物質・材料研究機構、高エネルギー加速器研究機構と一体となって進めてきました。この取組は、内閣府、経済産業省や文部科学省のご支援をいただいているほか、日本経済団体連合会からもご協力をいただいております。2016年からは新たに中核機関として東京大学を加え、名称もTIAとしました。さらに2020年には東北大学を加えた6機関による運営となり、一層のイノベーション創出に取り組んでおります。
産総研は2020年4月より第5期中長期計画をスタートしました。「世界に先駆けた社会課題の解決と経済成長・産業競争力の強化に貢献するイノベーションの創出」をミッションとして、つくば市や茨城県、さらには全国の大学、研究機関、民間企業と連携して研究開発を一層加速して参ります。
また、産総研つくばセンターはアウトリーチ活動にも力を入れています。「地質標本館」や「サイエンス・スクエア つくば」での研究成果の展示に加え、「つくばセンター一般公開」や各種「シンポジウム」などを通して、研究活動を広く公開しています。さらに「つくば環境スタイル」や「つくばサイエンスツアー」など、この地域の各種の試みにも積極的に参画し、共同研究の推進、技術相談や科学技術の普及活動を進めています。もちろん、その業務を推進するに際して、諸法令の遵守、環境と安全への配慮、省エネルギーの推進、男女共同参画の推進等、地域社会と連携して良好な職場環境構築に責任をもって取り組んでいます。ご相談やお問い合わせがありましたら、お気軽にご連絡ください。
(2020年4月)