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なぜ優秀なリーダーほど部下を潰すのか 『宇宙兄弟』から学ぶ本当に強いチームの作り方

10/22(水) 12:00

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なぜ優秀なリーダーほど部下を潰すのか 『宇宙兄弟』から学ぶ本当に強いチームの作り方
〈参考文献〉ミハイ・チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』を参考にアレンジ

『宇宙兄弟』(小山宙哉著)には、魅力的なリーダーシップを発揮する人物やエピソードが登場する。約30年にわたって3,000回を超えるチームビルディングを実施してきた組織開発のプロが語る、現代にこそ求められるファシリテーター型リーダーシップとは。

*本稿は、長尾彰著『宇宙兄弟「心理的柔軟性」リーダーシップで、チームが変わる! リーダーの話』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。

「ちょっとだけ頑張る」のすごいパワー

チームの原動力は、そこに属するメンバーから生まれます。

それぞれがどれだけパフォーマンスを発揮できるかでチームの推進力も変わってくるので、目標値をどこに置くかは重要なポイントですよね。

わざわざ低く設定することはないと思いますが、やたら高すぎるのも考えもの。

「今の2倍、頑張って!」

いきなりそう言われたら、多くの人が「そんなの無理!」と思うはずです。
抵抗なく受け止められるのは、自分の能力にかなりの自信がある人でしょう。

では、目標値はどこに設定すべきなのでしょうか?

僕が提案したいのは、こちら。

みんなでちょっとずつ頑張る、「1.1」という考え方です。

人は、常に「1.0」のパフォーマンスを発揮できるわけではありません。
仕事の難易度や得意・不得意、コンディション、作業時間、チームワーク、テンションなど、さまざまな要因によって変動しています。
そのうえで、

「1割増し」の状態を「1.1」
「1割減」の状態を「0.9」

としたときに、各自が「1割増し」になる努力をする。
これが、「1.1」を目指すということなのです。

「1.1」で得られるパフォーマンスは微々たるものに感じるかもしれませんが、毎日を「1.1」の状態で過ごすのと「0.9」の状態で過ごすのでは、30日後にはどれほどの差が出るのでしょうか。

「1.1」の30乗は、約17。
「0.9」の30乗は、約0.042。

その差はなんと、約405倍にもなります。


南波六太は、自分を「1.1」にするのがうまい

もちろんこれは、あくまで数式上での話。
30日間ずっと「1.1」を繰り返し成長することも、「0.9」を繰り返すことも実際にはないと思います。

ですが、メンバー全員が「1.1」を目指しているチームと、「0.9」でいることに慣れてしまっているチームでは、推進力に差が生まれるのは明らかですよね。

『宇宙兄弟』の南波六太(なんばむった)は、自分を「1.1」な状態にするのがとても上手なタイプ。
「2.0」になれることはほとんどないし、ときには「0.9」や「0.6」にまで下がることもあるけれど、なんだかんだで「1.1」を達成しています。
また、自分が「1.1」だと認識しているので、周囲に「2.0」を求めるようなことはしません。

読者が六太に共感したり、安心感を抱いたりするのは、この「1.1」感による部分も大きいと思います。

カリスマ性の高い優秀なリーダーは「2.0」以上であることが多いので、周囲にも同じパフォーマンスを望みます。

たとえ相手が「0.9」の状態でも容赦なし! ましてや「5.0」くらいの鉄人リーダーになると、"せめて「2.0」くらいはできるだろう?"と妥協しているつもりなので、ハードルの高さにも気づかないのです。いわゆる「無茶ぶり」というやつです。

確かに、「2.0」のパフォーマンスはチームにとって大きな力になります。
鉄人の彼らが3人で回せるものを、「1.1」のメンバーならば6人必要ですから。

でも、「2.0」って続きません。それに周囲もしんどい。

ブースターにはなるので、ここぞというときに「2.0」を目指すのは、とても効果的だと思います。
そこからチームを継続的に走らせたいのなら、「1.1」モードにシフトチェンジをするのがいいでしょう。

すぐに結果は出ないかもしれませんが、仲間の数が増えれば「1.1」のままスピードアップすることも可能です。

「2.0」や「5.0」といった魔法のような力を求めるより、「1.1」の状態であり続けること。

これを実行しているチームは、安定した速度で、安定したパフォーマンスを生み出すことができるようになります。

「2.0」を目指すのは厳しいけれど、「1.1」なら頑張れそう!
まずは、メンバー全員がこの意識を持つことから始めてみましょう。

「1.1」を繰り返しクリアしていくことで、その人のパフォーマンスが底上げされ、結果的に当初の「2.0」のラインを上回ることだってできるはずです。




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