共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

グリーンランド氷床雪氷質量変動に対する北極温暖化増幅の影響解明

日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)

課題番号
21H03582
体系的番号
JP21H03582
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円

研究代表者らが開発している領域気候モデルNHM-SMAPを駆動する再解析データの違いによる計算結果の不確定性を調べるために、ヨーロッパ中期予報センターによる最新の再解析データERA5を初期値境界値としてモデルを実行する環境を整備した。グリーンランド氷床に適用されたNHM-SMAPの性能評価を行うための観測データ収集の一環として、MODIS衛星データから1 km毎の氷床上標高域における積雪粒径の月別平均値を求め、2000-2020年における経年変化を調べたところ、積雪粒径の標高依存性と明瞭な季節変化が確認された。気象庁の再解析データJRA-55によって駆動されたNHM-SMAPによって計算された過去40年間の氷床上降雨を解析したところ、統計的に有意に増加しており、かつ、降雨増加が最も顕著なホットスポットが北西部であることが分かった。NHM-SMAPの大気パートを用いて、2021年5月から6月にかけて南東氷床上で実施された集中観測期間の気象再現実験を行った。その計算結果を用いて同期間中に観測された強風のメカニズムを検討したところ、南東海上を進む低気圧に伴い、南東風が氷床斜面を滑昇することで内部重力波が生じていたことが分かった。NHM-SMAPによる長期計算結果をより長期の気候変動の中に位置づけることを目指して、気象研究所地球システムモデルMRI-ESM2による歴史実験計算を行い、北極域での地上気温の再現性を検証するとともに、北極域で観測された20世紀後半の寒冷化の主要因が同時期の人為起源エアロゾルの増大と内部変動であることを明らかにした。NHM-SMAPの更なる高度化を目指して、氷河氷床の消耗域に形成されるクリオコナイトホールの深さ変化を表現する数値計算モデルの開発を進め、2014年に北西部カナック氷帽消耗域にて観測されたクリオコナイトホールの深さ変化を表現することに成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H03582
ID情報
  • 課題番号 : 21H03582
  • 体系的番号 : JP21H03582

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

1
  • 北極環境研究コンソーシアム長期構想編集委員会, 北極環境研究コンソーシアム (担当:共著, 範囲:氷床の表面質量収支とその長期変動、研究基盤の整備(雪氷)、 雪/氷床と雲の相互作用)
    海文堂出版 2024年3月 (ISBN: 9784303562304)