1997年
院外にて心停止を起こした急性心筋梗塞の検討
日本救急医学会雑誌
- 笠岡 俊志 ,
- 鶴田 良介 ,
- 中島 研 ,
- 副島 由行 ,
- 定光 大海 ,
- 立石 彰男 ,
- 前川 剛志
- 巻
- 8
- 号
- 5
- 開始ページ
- 201
- 終了ページ
- 208
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3893/jjaam.8.201
- 出版者・発行元
- Japanese Association for Acute Medicine
近年,急性心筋梗塞(acute myocardial infarction; AMI)の院内死亡率は10%前後まで低下しているが,院外にて心停止を起こした症例の救命率は未だに低率である。1991年米国心臓協会は,院外心停止患者の救命率の向上に必要な4つの項目を"chain of survival"なる概念として発表した。わが国では1991年にプレホスピタルケアの改善のために救急救命士制度が導入され,院外にて心停止を起こしたAMIの救命率の向上が期待されている。そこで本研究では,院外にて心停止を起こしたAMI症例の予後に影響を及ぼす要因を明らかにするためにプレホスピタルケアの実態および臨床所見について検討した。対象は1990年10月より1995年9月までの5年間に,内因による院外心肺機能停止のために当センターに搬送された154症例のうちAMIと診断し得た23例(男性18例,女性5例,平均年齢62±12歳)である。23例中2例は病院到着前に心拍再開していた。他の21例はすべて来院時心肺機能停止(cardiopulmonary arrest on arrival; CPAOA)症例であり,そのうち16例が心拍再開し入院となったが,生存退室は病院到着前に心拍再開した2例とCPAOAのうち6例の合計8例であった(生存群)。目撃者による心肺蘇生は2例(9%)に行われいずれも救命された。救急救命士より心電図の電送が行われた9例のうち4例(44%)は心室細動であり,この4例に対しては救急現場にて直流除細動が施行され,そのうち1例が心拍再開し社会復帰することができた。生存群に比較して死亡群では心筋梗塞の既往および前壁梗塞の頻度が高く,心停止時間も長い傾向にあった。AMIは院外心停止の重要な原因疾患であり,心筋梗塞の既往や前壁梗塞の有無が救命率に影響する。また心室細動を認める頻度が高いため,救命士による救急現場での直流除細動が予後の改善に有用であると考えられるが,心停止時間の短縮のために一般市民に対する心肺蘇生法のさらなる啓蒙が不可欠である。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.3893/jjaam.8.201
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130003626308
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10284604
- ID情報
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- DOI : 10.3893/jjaam.8.201
- ISSN : 0915-924X
- CiNii Articles ID : 130003626308
- CiNii Books ID : AN10284604
- identifiers.cinii_nr_id : 9000253437265