2020年4月 - 2023年3月
ヒトの重力空間知覚に関わる神経基盤の解明 -新たな介入方法の開発を目指して-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の目的は、身体傾斜、脳の形態解析、脳刺激を用いた行動実験を通して、ヒトの重力空間の知覚に寄与する神経基盤を明らかにすことである。2020年度に実施した脳形態解析において、身体軸方向の推定能力と右後側頭回の灰白質量が有意に相関するという知見が得られた。これに基づき、本年度は脳刺激を用いてその因果関係性を評価することを目指した。COVID-19の影響もあり、本年度は予備検討のみの実施となったが、当初予定していたtDCSではなく、(局所的に脳を刺激可能な)rTMS装置ならびに光学ナビゲーションシステムを併用した実験環境を新たに構築した。また、これまで使用していた液晶ディスプレイに代わり、ヘッドマウントディスプレイを用いても身体軸方向推定課題で同様のパフォーマンスが観察可能なことを確認した。2022年度は、本実験を開始し、身体軸方向の知覚と右中後頭回の因果関連性を検証する予定である。
上記の研究に加え、重力空間知覚における視覚依存性と小脳の因果関連性を検証する実験も予備的に行った。4名の健常成人を対象に、小脳虫部または左もしくは右側の小脳半球へtDCS(陽極刺激、 2mA、 10分)を付加し、その前後で重力方向を推定する課題(Subjective visual vertical: SVV)を実施した。SVV課題中には、課題とは無関係な視覚外乱が無い・有りの条件が含まれ、外乱有り条件から無し条件でのSVVを差し引くことで、視覚依存性を定量した。その結果、偽刺激(実際には脳は刺激されていない)条件に比べて、虫部刺激条件では視覚依存性が増大した。一方で、左または右小脳半球刺激条件では、虫部刺激条件に比べて、視覚依存性の増大は小さい傾向であった。2022年度は、参加者を増やすとともに、tDCSからrTMSの変更し、小脳虫部と視覚依存性の関連性を検証する予定である。
上記の研究に加え、重力空間知覚における視覚依存性と小脳の因果関連性を検証する実験も予備的に行った。4名の健常成人を対象に、小脳虫部または左もしくは右側の小脳半球へtDCS(陽極刺激、 2mA、 10分)を付加し、その前後で重力方向を推定する課題(Subjective visual vertical: SVV)を実施した。SVV課題中には、課題とは無関係な視覚外乱が無い・有りの条件が含まれ、外乱有り条件から無し条件でのSVVを差し引くことで、視覚依存性を定量した。その結果、偽刺激(実際には脳は刺激されていない)条件に比べて、虫部刺激条件では視覚依存性が増大した。一方で、左または右小脳半球刺激条件では、虫部刺激条件に比べて、視覚依存性の増大は小さい傾向であった。2022年度は、参加者を増やすとともに、tDCSからrTMSの変更し、小脳虫部と視覚依存性の関連性を検証する予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K19305
- 体系的番号 : JP20K19305
この研究課題の成果一覧
論文
1-
Keisuke Tani, Hiroaki Tanaka, Akimasa Hirata, Yosuke Nagata, Nobuhiko Mori, Koichi Hosomi, Akiyoshi MatsugieNeuro 2025年7月7日 査読有り筆頭著者責任著者