共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2018年3月

色受容細胞の多様化を担う転写因子とエンハンサーによる遺伝子発現制御

日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費

課題番号
16J01681
体系的番号
JP16J01681
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,300,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
0円

脊椎動物の視細胞である錐体は明るい場所での視覚を担う。特に、互いに異なる波長感受性を示す錐体サブタイプの組み合わせによって色覚が生じる。昨年度までの研究により、4種類の錐体サブタイプ(UV、青、緑、赤)を持つゼブラフィッシュにおいて、Six3サブファミリーに属する3種類の転写因子six6a,six6b,six7が青色・緑色感受性の錐体型光受容タンパク質(錐体オプシン)の発現に必須であると見出した。本年度は、これら転写因子の作用機序に迫るため、クロマチン免疫沈降と定量PCR(ChIP-qPCR)を用いて転写因子が相互作用するゲノム領域を探索した。FLAGタグ付きのsix6bとsix7それぞれが視細胞特異的に過剰発現する複数のトランスジェニック系統(昨年度に樹立)の網膜を用い、抗FLAG抗体を用いてChIP-qPCRを行った。その結果、青色感受性オプシンのプロモーターと、緑色感受性オプシンのプロモーターとエンハンサーそれぞれにsix6bやsix7が結合することを見出した。そこで、six6bやsix7が結合するDNA領域をゲノムワイドに同定し、six6bやsix7のターゲット遺伝子の網羅的な探索を試みた。共同研究により、免疫沈降したDNAサンプルを次世代シーケンサーに供してChIP-seq解析を行った。得られた結合領域から、それぞれの転写因子が標的とする遺伝子を算出した。さらに遺伝子オントロジーエンリッチメント解析(GO解析)を行い、これら転写因子が制御する遺伝子群の生物学的機能を類推した。その結果、錐体オプシンに加え、錐体型の光シグナリング分子や、さらには錐体の発生や分化に必須の分子をコードする遺伝子がsix6bとsix7のターゲット遺伝子であることを見出した。これらの結果よりsix6bとsix7は錐体オプシン遺伝子だけではなく、視細胞の分化や成熟に寄与する分子群を発現制御することによって、青・緑色感受性の錐体細胞のアイデンティティを規定すると考察した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16J01681
ID情報
  • 課題番号 : 16J01681
  • 体系的番号 : JP16J01681