共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

エピジェネティック制御因子による神経幹細胞の維持機構および神経分化に関する研究

日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)

課題番号
17K08497
体系的番号
JP17K08497
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

幹細胞の存在が中枢神経系を含む多くの組織で報告されており、その自己複製能と分化能の厳密な調節を通じて組織の恒常性維持が保たれている。神経幹細胞は中枢神経系を構成するニューロンとグリアに分化できる多分化能を持つ細胞で、継続的に機能的な神経細胞を個体の一生を通じて供給している。神経系の構築にはエピジェネティックな調節機構が関与し、その破綻が神経幹細胞の維持や神経発生、高次脳機能に大きな影響を与える。しかしながら、エピジェネティック因子により、これらの事象がどのように制御されるのかについての詳細な分子機構は、未だ不明である。本研究では、神経幹細胞特異的Tip60欠損マウスを用いて、神経幹細胞の自己複製および神経分化におけるヒストンアセチル化の役割を明らかにすることを目的とする。当該年度は主にニューロスフェア法によるin vitroの解析を確立し、以下の結果を得た。
1、胎生期14.5日の神経幹細胞特異的Tip60欠損マウス脳の大脳皮質より神経幹前駆細胞を分離し、ニューロスフェア法による培養系を確立した。
2、神経幹細胞特異的Tip60欠損マウス胎児脳由来の神経幹前駆細胞は、増殖能が著しく低下しており、小頭症を引き起こす一因であると考えられた。
3、神経幹細胞特異的Tip60欠損マウス脳由来の神経幹前駆細胞にBrdUを取り込ませ、細胞増殖率を比較検討した結果、神経幹細胞特異的Tip60欠損マウス胎児由来の神経幹前駆細胞では、BrdUの取り込み率が低く、細胞増殖の低下が確認された。
4、神経幹細胞特異的Tip60欠損マウス胎児脳由来の神経幹前駆細胞を分化誘導培地で処理したところ、神経分化が著しく低下していた。対照的にアストロサイトへの分化は促進されており、Tip60ヒストンアセチル化酵素が、神経分化とグリア細胞分化の両方に関与することが明らかとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K08497
ID情報
  • 課題番号 : 17K08497
  • 体系的番号 : JP17K08497