美術批評を読むvol.3 異形の批評を読む
アーカイブの販売期限: 2025年11月16日(日) 23:59まで
芸術は私たちに見たこともない世界を見せてくれます。とりわけ色や形によって表現をする美術の場合、それらを過剰に用いたり、異形として描き出すことは洋の東西を問わず途切れることなく実践されてきました。人やモノが奇妙に集合するマニエリスム絵画や、おどろおどろしい妖怪が描かれた浮世絵など、例をあげればきりがありません。ポップカルチャーに目を移しても異形の表現、例えば怪物や魔術などは現在進行形で人々を魅了し続けています。
そうした創作物に対して、批評家たちはどのように応答してきたのでしょうか。仮に批評がオルタナティブを求める止みがたい衝動であるならば、これらの表象はそれに応える絶好の対象と言えるでしょう。
およそ1年2ヶ月ぶりに「シリーズ:美術批評を読む」の第三回として開催される「異形の批評を読む」では、そうした表現の想像力を、批評によって賦活され続けてきた後藤護さん、春木晶子さんをお招きし、それぞれ関心を持つ論者についてレクチャーしていただき、討議をします。
芸術が持つ「現実を超現実に変えるマニエラ」についての議論を通じ、それらを巡る批評の系譜や、そうしたイメージが私たち人間に何をもたらしているのかを探ります。
登壇者/レクチャー内容
後藤護/種村季弘論
春木晶子/辻惟雄論 ※(注記)調整中
塚田優(司会)
※(注記)レクチャー内容につきましては、変更になる場合もございます。予めご了承ください。
★登壇者プロフィール
後藤護
暗黒綺想家。『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社)で第1回音楽本大賞「個人賞」を受賞。その他の著書に『悪魔のいる漫画史』(blueprint)、『ゴシック・カルチャー入門』(Pヴァイン)。『博覧狂気の怪物誌』(柏書房)、『日本戦後黒眼鏡サブカルチャー史』(国書刊行会)を準備中。
春木晶子 ※(注記)調整中
1986年北海道生まれ。北海道博物館勤務後、2017年より江戸東京博物館学芸員。日本美術史専門。著書に『江戸パンク! 国芳・芳年の幻想劇画』『異能力者の日本美術-ダークファンタジーの系譜-』(パイ インターナショナル、2021、2024)ほか。
塚田優
批評家。1988年生まれ。共著に『グラフィックデザイン・ブックガイド』(グラフィック社、2022)などがある。
南島興
批評家。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程中退(2021年)、横浜美術館学芸員(2021年-2025年6月)を経て、現在は執筆、講座、イベント企画に取り組む。2025年にはアート系Youtubeチャンネル「美術どうでしょう」を開設。全国の常設展をレビューするプロジェクト「これぽーと」主宰。