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だいやまーく記者コラム・タカ番24時
やっぱり彼は面白い。7年目のソフトバンク尾形崇斗投手(25)のことだ。今季1軍初昇格直後のある日、本拠地での試合前練習。ピンク色の二つのグラブを持ちながら明かしてくれたのは、前例なき「脳」へのアプローチ方法だった。

昨年の終わりごろから、形状の異なるグラブを使い分けるようにしたという。そのきっかけは日米通算200勝以上のダルビッシュ(パドレス)の動画だった。動画では同じ動きを繰り返すと、あえてその動きを崩そうと脳が働く、という話があった。一方でプロスポーツの世界では最適なフォームを繰り返すこと、再現性が重要視されている。それを妨げうる作用の存在に尾形は考えを巡らせた。

目を付けたのはグラブで感じる〝違和感〟だった。二つのグラブは閉じる向きが違う。親指と小指を使う横方向と、中指などと親指を使う縦方向に分かれる。それを1カードごとに使い分ける。「これじゃないと投げられないというのをなくした」。左手の違和感が、体の慣れを防ぐ。効果はてきめん。フォームは安定し、常時150キロ台後半の速球が生きた。

昨季の1軍登板時は投げるたびに帽子が外れていたが、今季は目が帽子に引っ張られるほど小さくしたという。そんな、えっ、と驚かされるエピソードも多い右腕。右肩のコンディション不良から立ち直り、7月にようやく1軍昇格を果たした。そんな尾形がどちらのグラブを今日は使っているのか。注目点が増えると、試合を見るのがより楽しくなるかもしれない。
(鬼塚淳乃介)

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鬼塚 淳乃介

鬼塚 淳乃介

記者

大谷翔平や守護神・オスナと同い年。 2019年の入社後、日田支局を経て、2022年からソフトバンク担当。 趣味はサウナと食べ歩き。熊本県出身で、ロアッソ熊本のサポーターとして遠征することも。

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