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ソフトバンク支配下の〝空き枠8〟を巡る育成選手たちのバトルが、激しさを増している。7日、関西独立リーグ選抜との練習試合に、育成5年目の石塚綜一郎捕手(22)が「6番捕手」でスタメン出場すると2本の二塁打を含む3安打3打点の大活躍。投げては7回から3番手で登板した鍬原拓也投手(27)=前巨人=が1イニングを3者凡退。最速146キロながら、力強い投球でストレートで空振りを奪うなど、巨人時代の一昨年にリリーバーとして49試合に登板した実績のある右腕も、ここに来て一気に調子を上げてきた。

先月の宮崎キャンプではB組スタートだった5年目の石塚は、2回に左中間突破の二塁打。3回1死一、三塁のチャンスでも左翼フェンス直撃の2点二塁打を放つと、5回1死二、三塁では外角の136キロストレートを逆らわずに右前へ運ぶタイムリーと3打点の荒稼ぎ。昨季は3、4軍の非公式戦ながら、計114試合出場で22本塁打のパンチ力は魅力十分で「今まで打つ方でアピールしてきたので、ここで何とか」と支配下昇格へ向け本気モード。守備では本職の捕手として5回までマスクをかぶったが「バッティングを生かすために、出られるならどこでも」と一塁や三塁にも取り組んでおり、支配下の〝空き枠8〟に「今年はチャンスがあると思う。何とかアピールしたい」とどん欲な思いを隠そうとしない。

投げても、7回から登板した鍬原が、打者3人をわずか8球でピシャリ。3人目のバッターの空振り三振は、ストライク3つすべてが空振りで、フィニッシュはこの日最速の146キロ。巨人時代の一昨年に49試合登板、3勝13ホールドをマークしながら、昨季は5試合登板にとどまり戦力外通告。先月の宮崎キャンプはB組スタートで「出遅れた感はあったんですが、僕の中では順調かな、という感じです」と鍬原も手応え十分。三塁ベンチから投球を見守った小笠原2軍チーフ投手コーチからも「(投球を)横から見ていて、あれだけ低めに集められて、角度のあるボールだから、相手どうこうじゃなく、上(1軍)でもちゃんと通用する」と〝合格判定〟をもらったことを明かし、こちらも支配下の〝空き枠8〟に虎視眈々(たんたん)。「チャンスを頂けたら、結果を残したい。やっぱり8枠あるんで、気負いせず、というか、しっかりとつかみとりたいと思います」と力強く宣言した。

現在、ソフトバンクの支配下選手は62人。野球協約の「日本プロ野球育成選手に関する規約」の第3条に「育成選手を保有できる球団は、当面、現に『支配下選手』を65名以上(7月末日現在)保有する球団とする」と定義され、さらに「育成選手を保有し6月末時点で支配下選手が65名に満たない球団は、育成選手を支配下選手に移行するか、または新たな支配下選手を採用するかについて7月末までに実行委員会にて説明しなければならない」と明記されている。

つまり、育成選手保有の条件である「65人」まで、まずは支配下枠を埋めることが必要で、育成選手にとっては、最低でも「3」、うまくいけば7月末まで最大「8」の〝空き枠〟がある。野手では1軍同行中の仲田、緒方、川村、投手でも宮崎キャンプでA組だった中村亮、6日の教育リーグ・阪神戦でも好投した大竹、左腕の渡辺佑ら、多彩な昇格予備軍たちがズラリ。開幕が近づく中、こちらの〝育成バトル〟も目が離せなくなってきた。

次ページに関西独立リーグ選抜戦のスコア、バッテリー

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