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公式戦未登板!ソフトバンク〝秘密兵器〟3年目育成右腕が阪神斬りで覚醒へ 松山2軍監督「三振を取れる力強さを前面に」

だいやまーくウエスタン・リーグ春季教育リーグ 阪神3―1ソフトバンク(6日・鳴尾浜)

ルーキーイヤーから過去2年間、1、2軍通して公式戦未登板という〝鷹の秘密兵器〟がいよいよ、そのベールを脱ごうとしている。ソフトバンクの右腕・大竹風雅投手(24)が6日、教育リーグ・阪神戦(鳴尾浜)に3番手として6回から登板。最速147キロの力のあるストレートと落差のあるフォークのコンビネーションで、2イニングで3三振を奪うなど1安打無失点の好投を見せた。

「出力的にも、戻ってきた部分があるので、いい感じではあると思います」

東北福祉大時代も仙台六大学リーグでの登板は2年生までの2試合だけ。3年時には右肘手術も経験しているが、その潜在能力が評価され、2022年ドラフト5位での〝本指名入団〟。プロ入り直後の4月に右肘のトミー・ジョン手術を受けたため、2年目の昨季は育成契約となったが、夏過ぎから実戦復帰。先月の宮崎キャンプもB組に入るなど、順調に復帰への階段を上ってきた。

この日も、代わりばなの6回、その初球に147キロのストレートで阪神4番・原口から空振りを奪い、1死二塁から栄枝を135キロのフォークで空振り三振、続く戸井も135キロフォークで見逃し三振に仕留めた。回をまたいでの7回、先頭の井坪を143キロストレートで空振り三振と3者連続三振。9番百崎にストレートの四球を出したのは「ちょっと課題が残ります」と反省しきりだったが、次打者の片山を142キロ直球で押し込んで二ゴロ併殺。相手を圧倒しての2回無失点に、松山2軍監督も「ボールに力があって、追い込んでからフォークで空振りが取れるというパターンを持っている。三振を取れる力強さを、大竹には前面に出していってほしい」と大絶賛だ。

現在、ソフトバンクの支配下選手は62人。野球協約の「日本プロ野球育成選手に関する規約」の第3条に「育成選手を保有できる球団は、当面、現に『支配下選手』を65名以上(7月末日現在)保有する球団とする」と定義され、さらに「育成選手を保有し6月末時点で支配下選手が65名に満たない球団は、育成選手を支配下選手に移行するか、または新たな支配下選手を採用するかについて7月末までに実行委員会にて説明しなければならない」と明記されている。

つまり、育成選手保有の条件である「65人」まで、まずは支配下枠を埋めることが必要になる。育成選手にとっては、最低でも「3」、うまくいけば7月末まで最大「8」の〝空き枠〟があるのだ。

オープン戦で1軍帯同している内野手登録ながら外野も守れるユーティリティーの仲田、俊足の緒方、強打の外野手・川村、さらにはこの日の教育リーグで大竹の後を継いで8回に登板した中村亮ら、支配下入りを目指す育成のライバルたちがひしめいているが「大竹の特長は、三振を取っていけるところ」と松山2軍監督が評しているように、リリーバーとしての適性は十分に見せ始めている。

この日の7回、井坪への初球に113キロのスローカーブでストライクを取るなど、ストレートを軸に、得意のフォークをはじめ、縦の変化を効果的に織り交ぜている。「そういうスタイルでやっていこうと思っています」と大竹もブレークへの手応えをつかみつつある。

「自分の力を見せられずに育成になったので、どういうピッチャーかまだ分かってもらっていない部分はあると思う。だからアピールしていこうと思っています」。支配下枠の〝残り8〟を巡る大争奪戦に、公式戦未登板の3年目右腕が一気に割って入ってきた。

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