ソフトバンクは19日、西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使した山川穂高内野手(32)を獲得したと発表した。4年契約で総額16億円の大型契約とみられ、背番号は25。自身の不祥事で今季17試合の出場にとどまった通算218本塁打の右の強打者はペイペイドーム内での入団会見で、西武やファンへの謝罪や感謝、新天地での意気込みなどを語った。

黒いスーツとネクタイ姿で現れた山川は、神妙な面持ちで深々と頭を下げた。球団は午前11時に入団を発表し、その2時間後にペイペイドーム内の小さな会場で記者会見がスタート。異例の対応の冒頭で、まずは謝罪の言葉を口にした。

「ここまで決断に時間がかかってしまい、本当に申し訳なく思っています。全ての関係者に多大なるご迷惑をおかけしたことを重ねておわび申し上げます」

5月に強制性交の疑いで書類送検され、8月に嫌疑不十分で不起訴処分となった。9月に西武から無期限の公式試合出場停止処分を科され、故障者特例措置が適用されて取得した国内FA権を行使し、約1カ月を経て今回の決断に至った。

12月に入り、ソフトバンクの三笠ゼネラルマネジャー(GM)と交渉の場を持った。「『絶対に優勝したい、一緒に頑張りたい、戦力になってください』と言ってもらえた。自分の心に強く刺さりました。それが一番の理由」と明かした。

不祥事を起こした自身への「逆風」は痛いほど感じている。「厳しい声は当然。僕自身が根本から変わらないといけない。マイナスからのスタートになる。新人の気持ちで、全力で頑張りたい」。約50分に及んだ会見では終始厳しい表情だった。

主力に左打者が多いソフトバンクにとって、右の強打者は最大の補強ポイント。一連の騒動についても調査を重ね、獲得に踏み切った。「僕にできることは、一つ一つの行動や言動に自覚や責任を持つこと」。本塁打王3度の長距離砲が再出発する。(小畑大悟)

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小畑 大悟

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