ソフトバンクの小久保裕紀監督(52)が秋季キャンプ第1クール最終日の4日、辛口で同クールを総括した。フロント主導でメニューが組まれ、自主性が重んじられる中、宮崎市で野手を見守った指揮官は「これで1軍(の主力)に勝てるのか」と苦言を呈した。

汗ばむほどの陽気に包まれた週末の宮崎。観客もたくさん詰めかけたが、午後のメイン球場に肝心の選手の姿はなかった。今キャンプは午前中に個別練習を行い、午後は自由練習が中心となる。メイン球場、第二球場ともに打ち込みの希望者はなし。小久保監督はコーチ陣とため息をついた。

「自由練習はこちら(首脳陣)から引っ張らない、促さないという形でやっていた。でも、今日グラウンドが両方空いていますよね。これで1軍(の主力)に勝てるのかなと。途中にウエートを入れているけど、じゃあそのあと打てよと思うけど。それはあまり促さず。自分で考えてやれる選手を作り出すのが狙いなので。できるかどうかは甚だ疑問ですが、あと3クールあるのでね」

宮崎の野手キャンプには柳田、近藤ら主力は参加していない。今キャンプに参加した育成まで含めた31選手はアピールを重ね、主力を脅かしていかなければいけない存在だ。小久保監督は「短い野球人生ですからね。やれるときに(やっておかないと)。こんなにメイン球場も空いているんだから。そういう遠慮はいらないという話しはしている。全員首脳陣がいる中、毎日ごますりの当てつけのようにフリーバッティングをする選手がいてもいい。時代ですかね」と嘆いた。

もちろん、選手たちも〝サボって〟いるわけではない。この日は400メートル走を2本。自由練習時間では課題の守備に取り組む選手もいれば、室内で最新鋭のピッチャーマシン「iPitch(アイピッチ)」と向き合う選手もいた。小久保監督は「アイピッチはすごく人気があって、あれを使ってやりたい選手も多い。それで室内にいるのは仕方ないけど、せっかくメイン球場もコーチも空いているから使ってもいいよね。仲田は打撃はオフにできるからコーチがいるときに守備をすると。それはそれでいい考えだな」と理解も示した。

投手、野手の分離キャンプも初の試みで、練習メニューも球団フロント主導と、手探りのキャンプであることは間違いない。ただ、その中で最大限の効果を出すやり方を見つけていかなければならない。小久保監督は宮崎を後にし、6日からの第2クールは投手・筑後キャンプに足を運ぶ。

(小畑大悟)

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小畑 大悟

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