◆だいやまーく記者コラム・タカ番24時

劇的な幕切れでソフトバンクの戦いは終わった。選手が活躍する姿をもっと見ていたかった。個人的には、3年目の井上が大舞台で成長する姿をまだ見たいと思った。クライマックスシリーズ開始前、関川浩一コーディネーターも同じ期待を膨らませていた。

3軍や2軍のコーチとして、ルーキーイヤーから井上の成長を見てきた。「変な話、放っておいてもいいかなという感じの時もある。伸びてほしい」。高く評価したのは心の強さだ。

9月にプロ初昇格。しばらくして関川コーディネーターが1軍に慣れたか尋ねると、井上は「こういう球を打てないとか、課題は見つかりました」と答えた。続けて口にしたのは、目の前の1軍生き残り以上に先を見据えた言葉だった。「今は(これまで)やってきたことをやる。シーズンが終わってから、今年感じたことをやりたい」。大器の片りんを見た気がした。

関川コーディネーターは時には厳しい言葉もかけた。昨年のウエスタン・リーグ開幕2戦目。4番の井上は4打席連続で凡退。落ち込んでベンチに戻る姿に「4番が打てなくてしょんぼり帰ってくるな。そんな顔してどうするんだ」とった。その試合で井上はサヨナラ打を放った。

腰の手術でリハビリが続いた昨年の今頃とは大きく異なる景色が眼前に広がっているはず。関川コーディネーターは「本物じゃない。きっかけをつかんだに過ぎない」とハッパをかける。この秋、目の色を変えて練習に取り組む井上に、ぜひ注目してほしい。

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鬼塚 淳乃介

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