◆だいやまーくフレッシュオールスターゲーム2023 全ウ7―3全イ(18日、富山)

17日に育成から支配下登録されたばかりのソフトバンク木村光投手(23)が1回無失点の好投を見せた。3回にウエスタン・リーグ選抜の2番手でマウンドに上がり、12球での三者凡退で「支配下初登板」を終えた。

食事が喉を通らないほど緊張したという支配下選手契約会見の1日後。奈良間(日本ハム)を外角低めのスライダーで二ゴロに仕留め、松尾(DeNA)は146キロの自慢の直球で二直。矢沢(日本ハム)も146キロ直球で三飛に打ち取って晴れ舞台を終えた。

1軍経験がある3人の打者に安打を許さず、「そういう選手と対戦できて、自分の中でも真っすぐいけるな、とか感じるものがあったので良かった。楽しかった」。この日は最速148キロをマークした右腕は笑顔で振り返った。

仏教大から育成ドラフト3位で入団したルーキー。50人を超える育成選手が支配下を巡って激しく争う状況でも〝プロの壁〟は感じなかった。「自分の成長を感じられるというか。打者も投手もレベルが高いので自分の立ち位置もはっきり分かる。(今が)野球をしていて一番楽しい」。

体重も入団時から6キロ増の74キロになり、最速も2キロアップして150キロの大台に到達。自分の立ち位置を楽しむ姿勢で急成長を遂げた。この日は支配下の背番号68のユニホームが間に合わず、育成時代の背番号160のユニホームでプレーした。

キャッチボールでは相手の球も研究。「気づいたことを自分流に変えている。プラスでくっつけていく感じ」。2軍では高橋礼とのキャッチボールで衝撃を受けた。この日は大学日本代表の合宿などで交流したオリックス曽谷の球に新たな発見があった。「受けているからこそ分かることもある」と大事にしている。

ウエスタン・リーグ選抜のコーチを務めた小久保2軍監督は「支配下になって一番(最初)の登板がフレッシュオールスターなんてなかなかない。しっかり抑えられたので、一生の思い出になったんじゃないですか」とたたえた。次は1軍デビューを目指す右腕にとって、最高の「支配下デビュー」となった。(鬼塚淳乃介)

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鬼塚 淳乃介

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