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今季から創設されたソフトバンク4軍が3日、ホーム初戦となる、ヤマエグループ九州アジアリーグ・宮崎との交流戦に臨み、2―5で敗れた。初代4軍監督の小川史監督(62)が感じたのは、12年前に創設された3軍との決定的な違いだった。

試合は4回に育成石塚のソロ本塁打で先制に成功。しかし、今季から投手に挑戦する2番手の育成小林が5、6回に立て続けに失点し、逆転を許した。試合後のミーティング。「相手チームと比べると、チーム全体として絶対に勝つんだという気持ちが見られなかったなというのが反省だと思います」。普段は穏やかな小川4軍監督も厳しい表情を浮かべ、選手たちにはっぱを掛けた。

4軍は年間80試合程度を想定。主に体づくりが中心となる組織だ。育成が最重要視される組織ではあるが、勝利への意識も必要だと小川4軍監督は指摘する。「1軍は勝つために選手を選んで出すじゃないですか。4軍は勝つための選手を選んで出す、ではないとは思っている。いろんな選手を出したい。でも負けていいという気持ちでは試合させたくないなとはずっと、前の3軍の時から思っています」

小川4軍監督は、2011年の3軍創設時の監督も務めた。当時は福岡市の雁の巣球場を本拠とし、練習場所も転々。「ある意味あの頃は何もないゼロからのスタートだった」と環境は決して恵まれたものではなかった。そんな厳しい環境下で「3軍1期生」として大きく羽ばたいたのが千賀(現メッツ)や、WBC日本代表で世界一に貢献した甲斐、牧原大だった。

「(甲斐)拓也はハングリーさがすごかったですね。牧原(大)はひょうひょうとしてたけど、運動能力はすごかった。千賀は最初体力がなくてひ弱な子って感じだったけど、だんだん体力がついてきて、自信を持った」と、3人とも高いモチベーションを持っていたと振り返る。

そこから10年以上経過し、タマスタ筑後が完成し、選手も変化した。「(当時と今を)なかなかイコールという感じで捉えるのは難しいですね。(価値観の違いも)いっぱいある。施設も恵まれていますし、そういう意味ではすごく恵まれているんだよ、というのを言っていかないといけないのかなという気はしています」と率直な思いを口にした。

今年の育成選手は総勢54人、支配下枠の残りが3という〝狭き門〟を争っているという状況もある。4軍から1軍は3階層も上にある。それでも小川4軍監督が強調したのはモチベーションの部分だった。「意識させたい。ここにいる子たちに『あと3枠しかないから』、と思わせたい。4軍にいながら、夢はでっかくじゃないけど、いずれはWBCの一員、侍ジャパンの一員になってくらいのことを思わせたい」

4軍がスタートしてこれまで5試合を経験した。「今年から初の4軍制というところでそんなヨーイ、ドンで何もかもがうまくいくわけない」とも語る。「育成のソフトバンク」の新たな取り組みは始まったばかりだ。(鬼塚淳乃介)

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鬼塚 淳乃介

鬼塚 淳乃介

記者

大谷翔平や守護神・オスナと同い年。 2019年の入社後、日田支局を経て、2022年からソフトバンク担当。 趣味はサウナと食べ歩き。熊本県出身で、ロアッソ熊本のサポーターとして遠征することも。

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