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出来高含む7年50億円超だった! ソフトバンクがFA近藤健介と超大型契約 背番号3、松中信彦らの「看板」継ぐ

ソフトバンクが12日、日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手(29)を獲得したと発表した。背番号は「3」に決まった。近藤を巡っては、楽天を除き、残留を要請していた日本ハムを含むパ・リーグ5球団の大争奪戦に発展。出来高を含め7年50億円以上の超大型契約でハートを射ぬいた。嶺井博希捕手(31)に続き、2013年オフ以来となる「FAダブル補強」でV奪還への強力なピースが加わった。

◇ ◇

ソフトバンクが史上まれに見る大争奪戦を制した。FA交渉解禁の11月11日から1カ月。近藤サイドから11日夕方に入団の意思を伝えられた。オンライン取材に対応した三笠杉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「フロント、首脳陣もみんなが来てほしいという熱意が伝わった」とうなずいた。

残留を求める日本ハムを含む5球団の"大激戦"が勃発していたが、近藤サイドは11月末に西武、ロッテに断りを入れ、12月に入ると、日本ハムにも退団を申し入れたという。オリックスとの一騎打ちが繰り広げられ、ホークスは最終的に出来高含め7年50億円以上を提示したとみられる。当初の4年20億円規模とみられた条件から出来高を含めて6年総額35億円規模となり、さらに膨らんだ形だ。

三笠GMは「(ホークスは)パワーのある選手やスピードのある選手もいるが、彼は出塁率が高く、大事な場面でしつこい打撃で走者をかえしてくれる。相手にとって嫌な破壊力のある打線になる」と説明した。

送り続けたラブコールが結実した。ソフトバンクは近藤がFA権行使を表明した11月8日にいの一番で獲得に名乗りを上げた。三笠GMは「ぜひホークスに来てもらいたい」と熱烈に"求愛"。解禁初日の同11日には都内で初交渉に臨み、宮崎秋季キャンプ中の藤本監督も電話で出馬した。

切り札も投入した。同21日には藤本監督と近藤が打撃に心酔する長谷川打撃コーチが都内を訪れ、ランチタイム交渉に臨み、条件も当初からさらに上積みしたとみられる。

近藤はプロ4年目の2015年に初めて規定打席に到達し、リーグ3位の打率3割2分6厘を記録。19、20年には2年連続で最高出塁率のタイトルに輝いた。通算の出塁率は4割1分3厘を誇る。「出塁率が通算4割を超えている。(打順は)やっぱり1番ですね。1から5番まで打てる」と藤本監督は構想を語っており、ホークスにとって大きな1ピースになる。

DeNAから国内FA権を行使した嶺井に続き、2人目のFA補強。複数の獲得は日本ハムから鶴岡慎也、中日から中田賢一(現4軍投手コーチ)を獲得した13年オフ以来となる。

14日に福岡市内で入団会見の予定。背番号は佐々木誠、松中信彦ら歴代の看板選手が付けてきた「3」。3年ぶりのV奪還を目指す来季へ、大きな期待を背負い、「ソフトバンクの近藤」がスタートを切る。

だいやまーく近藤健介(こんどう・けんすけ)1993年8月9日生まれ。千葉県出身。神奈川・横浜高から2012年、日本ハムにドラフト4位で捕手として入団。17年にはシーズン途中まで打率4割台をキープ。故障離脱で規定打席には届かなかったが、231打席で打率4割1分3厘をマーク。19、20年に最高出塁率。18、21年は指名打者、20年は外野手でベストナインを獲得した。日本代表としては19年のプレミア12、21年の東京五輪に出場し、ともに優勝。171センチ、86キロ。右投げ左打ち。

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