融資 | 国際開発協会(IDA)

IDA融資を受けるには、一人当たり国民総所得が毎年新たに定められる上限(2025年度は1,335ドル)を下回っていること、国際復興開発銀行(IBRD)からの借入に対する信用力がない相対的貧困状態にあることが条件になります。IDAの資金は、所得水準に加え、経済と進行中のIDAプロジェクトの管理の度合いに応じて借入国に配分されます。IDAの融資条件は極めて譲許的であり、IDAクレジットは無利子または低金利で提供されます。

2023年度の借入上位10カ国	百万ドル
パキスタン	2,305
バングラデシュ	2,300
タンザニア	2,135
ケニア	2,010
コンゴ民主共和国	1,940
コートジボワール	1,850
エチオピア	1,700
モザンビーク	1,625
ナイジェリア	1,551
セネガル	1,219

各国の融資条件は、一人当たり国民総所得(GNI)の水準、国際復興開発銀行(IBRD)からの借入の際の信用力、過剰債務リスク、人口規模の年次評価にもとづいて異なります。IDA融資の大半は、譲許性の高いローン(クレジットとも呼ばれます)またはIDAグラントの形で提供されます。IDA融資の一部は、IDAの融資適格国に対して非譲許的条件で提供されます(IDAの融資条件)

2023年度(2023年6月30日までの1年間)のIDA融資承認額は総額342億ドルに上り、そのうち73億ドルはグラントでした。アフリカ地域向けが総融資承認額の75%(258億ドル)を占めています。1960年以降、IDAは115カ国に対して5,330億ドルを拠出してきました。年間承認額は着実に増加しており、過去3年間(2021〜2023年度)の年平均額は約360億ドルでした。

IDAの融資を受けたプロジェクトは、初等教育、基礎的保健サービス、清潔な水と衛生、環境セーフガード、ビジネス環境の改善、インフラ、組織・制度の改革に取り組んでいます。これらのプロジェクトは、経済成長、雇用創出、所得拡大、生活水準の改善への道を開くものです。

IDAは以下の通り、幅広い分野での成長を重視しています。

健全な経済政策、農村開発、民間企業の支援、持続可能な環境への取組み
人材、教育、保健(特にHIV/エイズ、マラリア、結核との闘い)分野への投資
基本的サービスの提供と公共資金に対する説明責任に関する借入国の機能強化
内戦、武力紛争、自然災害からの復旧・復興
貿易・域内統合の推進

2023年度のセクター別IDA融資	全体に占める割合(%)¹
インフラストラクチャー(エネルギー、情報通信、運輸、水、廃棄物処理)	28
社会サービス(教育、保健、社会的保護)	25
行政	23
農業	14
工業・貿易	7
金融	4
¹ 単位未満の四捨五入のため合計が100%とならない場合がある

IDAは、貧困削減に向けて高度な政策設計を可能にする知識の蓄積を図るために、分析研究を実施しています。IDAはまた、経済成長の基盤を拡充し、貧困層を経済的ショックから守るための方策について、政府に助言を行っています。さらにIDAは、各国の債務管理を支援し、長年にわたり貧困国の債務救済を調整してきました。持続可能な開発金融政策(SDFP)と呼ばれる新たな債務政策を通じて、IDAは各国の債務の透明性、債務管理、財政の持続可能性の強化を支援しています。

更新日: 2024年9月23日

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