仲正昌樹

金沢大学法学類教授

1963年広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了(学術博士)。金沢大学法学類教授。専門は政治・法思想史、ドイツ思想史、ドイツ文学。著者に『今こそアーレントを読み直す』(講談社)『集中講義!日本の現代思想』(NHK出版)『カール・シュミット入門講義』(作品社)など。

トランプ氏の「カリスマ」頼みの政策運営の危うさ、ラストベルトの労働者の状況は変わるのか

2024年11月22日

トランプ氏の「カリスマ」頼みの政策運営の危うさ、ラストベルトの労働者の状況は変わるのか

トランプ氏勝利のラストベルトの労働者に象徴されるインフレと格差拡大への国民の不満だが、公約で掲げる関税引き上げや減税は事態をむしろ悪化させかねない二律背反の要素を持つ。袋小路の状況をトランプ氏の"決断力"や異端さに頼るポピュリズム...

「リベラルな普遍主義」か「米国中心主義」か、世界の政治を左右する米大統領選の思想的争点

2024年8月29日

「リベラルな普遍主義」か「米国中心主義」か、世界の政治を左右する米大統領選の思想的争点

米大統領選は黒人女性、アジア系として初の大統領を目指し国際連携重視のハリス氏と「米国第一」のトランプ氏による仕切り直しになったが、ハリス氏の出自やトランプ氏の白人労働者層のナショナリズムに訴えるトランプ流保守主義との対比もあって「...

USスチール買収阻止、10%関税、在日米軍撤退...岸田政権に「もしトラ」リスクの備えはあるか

2024年5月7日

USスチール買収阻止、10%関税、在日米軍撤退...岸田政権に「もしトラ」リスクの備えはあるか

米大統領選挙で「米国第一」のトランプ前大統領が"復活"する可能性がいわれるが、トランプ氏は日本製鉄の「USスチール買収阻止」だけでなく、「10%関税」実施やウクライナ支援見直しなど、日本に影響が及ぶ問題でも発言を続けている。日本はどう...

「子育て支援金」はなぜ健康保険料から出すのか、少子化対策財源の"筋違い"

2024年2月26日

「子育て支援金」はなぜ健康保険料から出すのか、少子化対策財源の"筋違い"

「異次元の少子化対策」の財源確保の一環で公的医療保険の保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」制度が、26年度から導入される予定だ。だが、なぜ財源は税金ではなく本来、病気のリスクに備えた健康保険料なのか、「国民の負担増なし...

維新も前原新党も小池都知事も熱心、「教育無償化」は正義にかなうか

2024年1月9日

維新も前原新党も小池都知事も熱心、「教育無償化」は正義にかなうか

「教育無償化」実現を掲げた新党が作られ、政府や自治体の中にも大学や高校の無償化支援拡充の動きが広がる。表向きは聞こえがいい政策だが、目的や細部が曖昧なまま人気取り競争に陥ると教育の質の低下や不平等を生み税金の無駄遣いになるリスクに...

キャンセル・カルチャー時代の到来!?ジャニーズ問題などで見えたSNS上の"正義を巡る戦い"の危うさ

2023年12月8日

キャンセル・カルチャー時代の到来!?ジャニーズ問題などで見えたSNS上の"正義を巡る戦い"の危うさ

不祥事を起こした企業や個人の存在自体を拒否するように徹底攻撃する「キャンセル・カルチャー」が日本でもジャニーズ問題などで見受けられる。SNSは誰もが参加できるが、法の支配や熟議の民主主義を損なう危うさを持つことも改めて認識される必要...

元信者の教授が旧統一教会「解散請求」に抱く危惧、"政治の都合"先行の理不尽

2023年10月19日

元信者の教授が旧統一教会「解散請求」に抱く危惧、"政治の都合"先行の理不尽

政府の旧統一教会への解散命令請求は政治的思惑が先行した感が強い。文科省は「被害」の例を集めるのは熱心だったが、多くの一般信者の意見を聴いた形跡はなく、解散を求める場合の違法行為の程度などの基準も曖昧だ。

「自民一強」の次は「第2自民党」?野党の模索は日本政治の進化か閉塞か

2023年9月26日

「自民一強」の次は「第2自民党」?野党の模索は日本政治の進化か閉塞か

「自民一強」が続く中で野党の中には自民党との連携を言い、さらには「第2自民党」と位置付ける党も出てきた。二大政党制を念頭に小選挙区制が導入され政権交代もあったが、この動きは、日本政治の活性化につながるのか、有権者も考えどころだ。

生成AIの活用で「ダメなコピペ人間」を量産しない方法

2023年8月14日

生成AIの活用で「ダメなコピペ人間」を量産しない方法

「生成AIをうまく活用できる人材」をリベラル・アーツ教育で育まれる人材と結び付ける議論があるが、現状ではAIの特性とリベラル・アーツの目的の理解のどちらも不十分だ。そういう人材に必要なのは他者の思考を理解しながら実践的、創造的に応用す...

2つの首相襲撃事件は「テロ」だったのか、容疑者報道をめぐる議論の上滑り

2023年5月26日

2つの首相襲撃事件は「テロ」だったのか、容疑者報道をめぐる議論の上滑り

相次ぐ首相襲撃事件の容疑者の動機を報道するのはテロを助長するとの声が出る一方、これにメディアなどが反論している。だが二つの事件はそもそもテロなのか。"虚像の物語"を前提にした議論では意味ある問題解決はできない。

大学生協アプリ「不具合続出」で見えたAI社会の落とし穴、失われる当事者意識

2023年2月24日

大学生協アプリ「不具合続出」で見えたAI社会の落とし穴、失われる当事者意識

少なからずの大学で起きた大学生協アプリの不具合問題はオンライン化などでデジタル技術やAIが情報処理を担う時代で、どこまで人間が責任者意識を持つべきなのかを考えさせるデジタル社会の新たな課題だ。

旧統一教会問題は「反カルト法」や質問権行使で解決できるか、元信者の教授が解説

2022年10月28日

旧統一教会問題は「反カルト法」や質問権行使で解決できるか、元信者の教授が解説

旧統一教会問題を機に反カルト法制定を求める声があるが、特殊宗教的な団体とする判断が難しい点など機能するかは疑問だ。政府の質問権行使も教団の「解散ありき」の調査にならないようにすべきだ。

旧統一教会「マインドコントロール」の実体、元信者の教授が語る

2022年9月21日

旧統一教会「マインドコントロール」の実体、元信者の教授が語る

旧統一教会の信者が献金地獄に陥るのはマインド・コントロールをされているからのようにいわれるが、その実体は悩みや不安からの出口があるかのような「物語」に惹かれる他の新興宗教の信者や陰謀論などを信じる人と違いはない。

元信者の教授が解説、自民党と旧統一教会「政教分離」論議で明確にすべきこと

2022年7月29日

元信者の教授が解説、自民党と旧統一教会「政教分離」論議で明確にすべきこと

安倍元首相銃撃事件で焦点が当たる宗教と政治の関係や信教の自由の問題のポイントは宗教団体が詐欺まがいのやり方で信者や献金を集め、国民に見えない形で政治に働きかけて便宜や利益供与を受けたかだ。

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