山田 久

法政大学経営大学院(イノベーション・マネジメント研究科)教授 兼 日本総合研究所客員研究員

やまだ ひさし/1987年京都大学経済学部卒業、2003年法政大学大学院修士課程(経済学)修了。15年京都大学博士(経済学)。住友銀行(現三井住友銀行)、日本経済研究センター出向などを経て93年より日本総合研究所調査部出向。同経済研究センター所長、マクロ経済研究センター所長、ビジネス戦略研究センター所長などを経て11年より調査部長/チーフエコノミスト。17年理事、19年副理事長に就任し退任後、23年4月から現職。専門はマクロ経済分析、経済政策、労働経済。著書に「北欧モデル 何が政策イノベーションを生み出すのか(共著)、「市場主義3.0」、「デフレ反転の成長戦略『値下げ・賃下げの罠』からどう脱却するか」、「賃金デフレ」など。

25年の賃上げは「縮小均衡型」で二極化が加速、有効求人倍率の推移に異変?

2024年12月20日

25年の賃上げは「縮小均衡型」で二極化が加速、有効求人倍率の推移に異変?

2024年は大手企業の春闘賃上げ率が33年ぶりの高さとなった。しかし労働需給の指標を見ると、有効求人倍率には一見不可解な現象が起こっている。その要因を探り、25年の雇用・賃金の見通しを分析した。

石破政権の実質賃金引き上げ経済政策、「2つの疑問」と「1つの盲点」

2024年11月29日

石破政権の実質賃金引き上げ経済政策、「2つの疑問」と「1つの盲点」

総合経済対策が閣議決定されたが、石破政権の経済政策の本丸ともいえる実質賃金プラス化を目指した「2020年代中の最低賃金1500円実現」や「103万円の壁」解消は疑問や課題があるうえ、実質賃金押し下げの原因の一つとなっている交易条件の悪化への...

【無料公開】日本の「物価の相場感」は本当に変わったか?企業の価格転嫁率は米独の約半分、実質賃金プラス定着も見通せず

2024年10月28日

【無料公開】日本の「物価の相場感」は本当に変わったか?企業の価格転嫁率は米独の約半分、実質賃金プラス定着も見通せず

長く続いたデフレの「ノルム」は変わったのか。企業の価格転嫁や賃上げの広がりはあるが、今回のインフレ局面での価格転嫁率は米独の4〜6割にとどまり、賃金上昇も世界的な供給構造変化や国内の人手不足に起因する。健全な物価上昇の前提になる生産...

日本の「物価の相場感」は本当に変わったか?企業の価格転嫁率は米独の約半分、実質賃金プラス定着も見通せず

2024年9月3日

日本の「物価の相場感」は本当に変わったか?企業の価格転嫁率は米独の約半分、実質賃金プラス定着も見通せず

長く続いたデフレの「ノルム」は変わったのか。企業の価格転嫁や賃上げの広がりはあるが、今回のインフレ局面での価格転嫁率は米独の4〜6割にとどまり、賃金上昇も世界的な供給構造変化や国内の人手不足に起因する。健全な物価上昇の前提になる生産...

所得・物価・消費で進む「二極化」と中間層縮小、賃金・物価の"好循環"で到来する格差社会

2024年5月14日

所得・物価・消費で進む「二極化」と中間層縮小、賃金・物価の"好循環"で到来する格差社会

春闘の高い賃上げなどで賃金・物価の「好循環」実現が見通せるとして、日本銀行はデフレ時代からの金融政策の正常化に踏み出したが、賃金や消費は二極化し物価上昇も円安などが要因。バブル崩壊前とは賃金や物価、消費の構造は様変わりしており、格...

2024年春闘は前年超え「3%後半〜4%」賃上げ予想も、実質賃金とは大幅乖離

2024年2月9日

2024年春闘は前年超え「3%後半〜4%」賃上げ予想も、実質賃金とは大幅乖離

24年春闘の賃上げ率は昨春闘を超える3%台後半から4%になる見通しだが、中小企業やパートなどを含めた賃上げ率とは乖離がありマクロの実質賃金がプラスになるかは微妙だ。とはいえ賃金が経済の持続的成長の鍵になる中で春闘の成果を地域の中小企業...

24年の「賃金」は春闘妥結率が最大の焦点、23年越えの賃上げで"実質賃金プラス"なるか!?

2023年12月30日

24年の「賃金」は春闘妥結率が最大の焦点、23年越えの賃上げで"実質賃金プラス"なるか!?

物価上昇と人手不足が続く中、2024年の雇用・賃金の最大の焦点は、春闘での賃上げ妥結率だ。30年ぶりの高水準となった23年実績を上回り、「物価上昇に負けない賃上げ」を実現できるのか。法政大学経営大学院教授の山田久氏に、24年の雇用賃金の状況...

日本の輸出シェア「3%」まで低下、直視すべき日本版の貿易と財政"双子の赤字"

2023年11月24日

日本の輸出シェア「3%」まで低下、直視すべき日本版の貿易と財政"双子の赤字"

政府が経済政策で直視すべきは「2つの赤字」問題だ。とりわけ貿易赤字はいまの円安や物価上昇の要因でもあり、いずれ財政ファイナンスの不安定化を招き財政赤字と相乗的に日本経済を弱体化させかねない。

人手不足解決のカギは、生成AIを作業や接客など「現場労働」の代替・軽減に活用することだ

2023年9月8日

人手不足解決のカギは、生成AIを作業や接客など「現場労働」の代替・軽減に活用することだ

人手不足時代に活用が期待される生成AIだが、現状ではオフィス事務効率化には力を発揮するが、サービスや物流などの現場への活用は遅れている。深刻な現場の人手不足解消に役立たないどころか、オフィスで余剰を生み出しチグハグになりかねない。

「骨太方針2023」に欠ける労働分配率・消費性向の同時引き上げの政策パッケージ

2023年6月19日

「骨太方針2023」に欠ける労働分配率・消費性向の同時引き上げの政策パッケージ

「新しい資本主義」による「成長と分配の好循環」実現のカギは労働分配率と消費性向を同時に引き上げることだ。「骨太方針2023」は個別政策の寄せ集め感が強く、好循環実現のメカニズムやそれぞれの政策の位置付けや関連を明確にする必要がある。

日本に定着した「値下げ・賃下げの悪循環」、賃金低迷を打破する3つの政策

2022年8月16日

日本に定着した「値下げ・賃下げの悪循環」、賃金低迷を打破する3つの政策

日本企業は賃上げや値上げに慎重なノルムが根強く、社会的に賃上げ圧力をかけたり、適正な価格転嫁ができるような制度を整備したりして物価・価格体系のおだやかな上方シフトを促す仕掛けが必要だ。

賃上げしないと日本は「ジリ貧経済」に、コストプッシュ型インフレ突入の大変化

2022年8月15日

賃上げしないと日本は「ジリ貧経済」に、コストプッシュ型インフレ突入の大変化

世界はコストプッシュ型のインフレ経済に突入するとみられ十分な賃上げで実質賃金の低下を防がないと経済が縮小均衡に陥る。日本は財政再建の必要性を考えても賃金引き上げが経済活性化のカギになる。

コロナ苦企業による人材出向が秘める「失業なき産業構造転換」の可能性

2020年12月25日

コロナ苦企業による人材出向が秘める「失業なき産業構造転換」の可能性

特集『総予測2021』(全79回)の#14では、日本総合研究所副理事長である山田久氏に2021年の雇用・賃金の動向について予想してもらった。景気が回復に向かっても、雇用のミスマッチが失業率改善の足かせとなりそうだ。産業間、部門間の格差もおおき...

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