学歴も職歴も家庭もライバルも、みんな不満!
現場で孤立した"コンプレックス病"ディレクター

――重度の劣等感に苛まれ、敵を作り続ける川口氏のケース
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学歴や家庭のことについて、コンプレックスを強く感じる人がいる。それはよくあることだが、あまりにもエスカレートし過ぎると、自分を見失ってしまう場合がある。筆者の造語でいえば、"コンプレックス病"である。

連載15回目は、テレビマンとして生きていくものの、「学歴」「職歴」「家庭」「ライバル」についての4つの劣等感にさいなまれ、自分を見失っている男性社員を紹介しよう。

あなたも、このような"コンプレックス病"にかかっていないか。

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しかく今回の主人公――はい上がれない「負け組社員」

川口和己(仮名・44歳)

都内のテレビ番組制作会社(社員数60人)に勤務する契約社員。番組制作の責任者であるディレクターではあるが、スタッフからはその仕切りに対してブーイングが多い。それを押さえ込もうとするものの、上手くいかない。担当する番組の現場はもはや泥沼化しており、職場で孤立している。
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((注記)プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

「大学を出ていてもこれじゃあ・・・・・・」
低学歴ディレクターの執拗な"いじめ"

「君は、本当に大学を出ているの? 演出には向いてないね〜」

"ディレクター"の川口がソファーに座り、小ばかにした物言いをする。この会社に入って2年目のアシスタントディレクター(AD)の草薙(25歳)は、背中を丸めて肩を落とす。

川口は、白髪が混ざったあごひげをさすりながら、草薙を罵り始めた。

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