知っているようで知らないビジネスメールのお作法と落とし穴
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もし「世の中からなくなったら困るものランキング」があったとしたら、メールはかなり上位に食い込むでしょう。
先週まであれこれ言ってきて何ですけど、今をときめくツイッターなんて、いきなりなくなったとしても、まあそれほどは困りません。調味料で言ったら、その「欠かせない度合い」は、塩とワサビぐらいの差があります。(こんなこと言うと、ムキになってツイッターやワサビの肩を持つ人もいそうですけど。)
そして、ビジネスマンにとってメールをどう使いこなすかは、仕事を円滑に進める上でも自分に対する評価という点でも、極めて重要です。使い方を間違えると、すべてが台無し。さっきはそんなつもりで例えたわけではありませんが、その点も塩に似ています。
さらに厄介なのが、メールの常識やお作法が、ちょっと油断すると激しく移り変わってしまうところ。よかれと思って加えた配慮が、むしろ迷惑だったり苦笑を招いていたりするケースが少なくありません。
知らないうちに恥をかかないためにも、ビジネスマンとして大きく飛躍するためにも、ビジネスの場面でメールをやり取りするときの基本的なお作法を押さえておきましょう。
メールマナーの歴史を紐解く――
今は時間をかけずにわかりやすく、が基本
パソコンでのメールのやり取りが一般的になったのは、ここ10年ぐらいのこと。10年前と今とでは、一日にやり取りするメールの数もケタ違いだし、通信環境やパソコンの性能も大きく変わりました。
それに伴って180度逆転したのが「返信時のタイトル」に関するお作法です。ここ数年で社会人になった方たちには信じられないとは思いますが、20世紀のメールマナーでは、
「メールのタイトルをそのままにして、頭に『Re:』が付いたまま出すのは失礼」
というのが常識でした。せっかく「○しろまる○しろまるの件です」とわかりやすいタイトルが付いているのに、わざわざ「ありがとうございます」といった曖昧なタイトルに変えてしまうのが「気が利いている配慮」とされていたのです。
メールを一日に数通しかやり取りしない状況なら、それでも不都合はありません。しかし、今のようにいろんな用件のメールが錯綜する状況だと、半端にタイトルを変えられると何のメールだかわからなくなります。
さらに、返信のメールではタイトルを変えるのがお作法だと思っている人の多くは、
「自分が書いた文章の下に、相手が書いた部分をそのまま残しておくのは失礼。きれいに削除してから出すべし」
というお作法も信じています。