円高・円安はアメリカのルール違反から生まれた!
44年前、世界に激震が走った日
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ニクソン・ショックの結果、
アメリカが得たもの、失ったもの
金の流出を阻止するため、ニクソン大統領は緊急のテレビ会見を行い、「金とドルの交換を停止する!」と発表したのです。これをニクソン・ショック(1971年)といいます。今から44年前の出来事です。
世界恐慌のときに各国が行った「金本位制の停止」と同じことをやったわけです。さらにニクソンは、「輸入品に一律10%の輸入課徴金を課す」と発表しました。
これらはブレトン=ウッズ体制に対する明白な違反ですが、残念ながら超大国アメリカに対して制裁ができるような国はありません。
ニクソン・ショックの結果、「ドルを持っていると暴落するんじゃないか?」と恐れた各国の銀行や証券会社がドルを売って円やマルクを買ったため、アメリカは固定相場制を維持するため、1ドル=300円までドルを切り下げます(スミソニアン合意)。
しかしその後も、ドル売りの雪崩現象は止まりません。もはや固定相場制を維持するのも困難になりました。各国の中央銀行は市場介入をやめてしまい、通貨の価格は為替市場における売買で決まる―買い手が多ければドル高になり、売り手が多ければドル安になる―という変動相場制へと移行しました。この体制が今も続いているわけです。
アメリカは、各国通貨にドルとの固定レートでの交換を認め、信認を与えるという役割を自ら放棄してしまいました。アメリカの威信は地に堕ちます。その反面、円高マルク高ドル安の進行はアメリカ製品を割安にし、アメリカ企業の国際競争力は徐々に回復しました。アメリカは、「名を捨てて実をとった」のです。
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