職場で「人が育った20年前」と
「育たなくなった今」は何が違うのか

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「入社から3年経たずに若手が辞めてしまう」、「なかなか思うように育たない」、「ちょっと叱るとへこんでしまう」、「折れやすい」・・・
昨今、企業のマネジャー層を悩ませているのが「いまどきの若手」の育成問題です。
「ゆとり世代だから弱いのだ」と片付けるのはいささか乱暴で、背景には若手そのものの変化だけではなく、この20年の企業経営の変化、職場の雰囲気の変貌、大学教育の変容、就職活動=採用手法の変化など、多様なファクターが影響していると思われます。
ともすると若手だけを槍玉に挙げがちですが、実は職場で人が育たなくなったという事情は、ミドル層にも当てはまりそうです。もしかすると、経営層にもまた・・・
この連載では、職場でなぜ人が育たなくなったかをテーマに、その背景と要因を考えていきます。可能なら、研究者や識者の知恵を借りて、「職場で人が育つ方法」を提示するところまでたどり着くことを願いながら、第1回を始めたいと思います。(ダイヤモンド社人材開発事業部 副部長・間杉俊彦)

「オトナ」が多かった
20年前の職場

私は入社24年目の48歳。

振り返ると、入社したのはまだ崩壊する予兆すら見せずにバブルが膨張し始めようという頃。『アサヒスーパードライ』やオートフォーカス一眼レフ『ミノルタα7000』、『TOTOウォシュレット』といった、企業像を一変させるような大ヒット商品が続発し、高額品消費が盛り上がる「元気な時代」に社会人生活をスタートさせました。

週刊ダイヤモンド編集部に配属され、記者として仕事を始めたのですが、当時の編集部は年代層のバラつきが大きく、「オトナが多かった」という印象が残っています。

それは、こちらが駆け出しで、オトナとコミュニケーションする機会がそれまで少なかったから感じたことかもしれません。でも、事実として20代、30代の先輩記者たちは、ほとんどすべての年次の社員がいて(毎年、新卒新人を配属していた、ということです)、編集長は40代。デスクと呼ばれる副編集長は30代から50代までがいました。そして、編集長や副編集長経験者や、当時の私にはよく素性のわからない年配の部員もいて、とにかくオトナばかりの中に放り込まれた感じがしました。

あれから20年たって、いまは週刊ダイヤモンド編集部だけでなく、社内はどの部署も若者が多く、全体の印象として「オトナ」が少ないように感じられます。こちらが年を取った、ということももちろんあるのでしょうが。

変わったのはヒトばかりでなく、オフィス空間も様変わりしています。

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