"放置プレー体質"の会社が"無関心上司"を生み、若手を"離職"に追い込むという悪循環

――個と組織の関係が揺れている? いまこそ「適度なかまい方」を
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前回前々回と2回にわたって解説してきた「適度なかまい方」。それは、当たり前のコミュニケーション法といえます。

とはいえ、なかなか実行できないことでもあります。なぜ、実行できないのか。それは、そもそも若手を育成しようという個々の意志が希薄であるからですし、その根底には組織のコンセンサスがないことが真の問題であるでしょう。その結果、3年で3割強が辞めていくわけです。

若手に関心を持つこと
が第一歩

「適度なかまい方 5か条」について、おさらいします。

(1)傾聴する
(2)必ずフィードバックする
(3)質問する
(4)仕事の意味を伝える
(5)プロセスを評価する

「どれも当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれません。実は、その通りです。人と人とのコミュニケーションですから、奇手奇策はありません。立場の違いを超えて、一緒に働く仲間として気持ちの交流が図れるかどうか。それが若手が会社に定着し、一人前に育っていくための基本条件なのだと私は考えています。

ただ、上記5か条は機械的に実行しようと思えばすぐにもできることばかりですが、それがひとつの制度としてのみとらえられてしまえば、実に表層的な振る舞いで終わってしまう可能性もあります。

「適度なかまい方」が目指すところは、若手を定着させ、成長させることです。そのために、ベタベタした関係になるということではなく(そうしようと思ったところで、若手が嫌がるでしょうけど)、気持ちの交流を図って信頼関係を構築する必要があるのです。

肝心なのは、「若手に関心を持つ」こと。もっと言えば、「若手の"成長に"関心を持つ」ということではないでしょうか。そのことが根底にあるなら、「適度なかまい方」は表層的な振る舞いにとどまらず、信頼関係構築につながっていくはずです。

しかし、このことを上司や先輩の個人的意思に任せるのは、やや無理があるかもしれません。若手の成長は、組織として実現しなければならないことでしょう。

であるならば、若手をどのように育てるのか、職場の中で、ひいては会社全体でコンセンサスを形成する必要があるでしょう。会社の育成方針があって、初めて個々人の振る舞いに説得力が生まれるからです。

「適度なかまい方」は、組織の中で共有するべきコミュニケーション法であると、私は考えています。

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