【オピニオン】欧州の移民危機、アサド政権崩壊では解決せず
欧州各国は難民送還を目指すが、シリアはまだ自由になっていない
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シリアのバッシャール・アサド大統領がロシアに逃亡し、欧州の指導者たちは大きな安堵(あんど)のため息を漏らしたに違いない。絶対的支配者だったアサド氏が権力の座から転落したことは、シリア国内でこれまで同氏が服従させていた国民にとっては朗報と言える。だが欧州では、最も差し迫った問題の一つである難民問題も今回の出来事によって解決できると期待されているようだ。シリアの危機に対する欧州の最も明らかな行動がどのようなものだったか見てみよう。それはシリア人を送り返そうという試みだ。本稿の執筆時点で、欧州の十数カ国が、シリア人が提出した難民申請の処理を中止している。政治家の中には、既に申請が承認された難民を帰国するよう仕向けられるかもしれないとの見通しを語る者もいる。
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