「Web3」とはいったい何か?ウェブの歴史から読み解く理想と現実
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2021年以降、日本でも急速に注目を集めるようになった「Web3」というキーワード。次世代のウェブとして「NFT」や「メタバース」といった言葉とともに取り上げられるWeb3とは、どういう概念なのか。ウェブ発展の歴史からWeb3の理想と現実まで、マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、現在は複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏が解説する。
Web1.0、Web2.0に続く
「Web3」の正体とは?
最近よく見かける「Web3.0」あるいは「Web3(ウェブスリー)」という言葉。いったいどういうものか、まだよく分からないという方も多いかもしれません。
そもそも「3.0」があるということは、その前に「1.0」「2.0」があったということになります。まずは、改めてWeb3に至るまでのウェブの歴史を振り返り、私なりに説明してみたいと思います。
ワールドワイドウェブ、略してウェブと呼ばれる仕組みは、インターネット上で情報の送受信を行うシステムとして生まれました。当初、送受信される情報は静的で動かない文字や画像、あるいは動くとしても極めて限定的なものでした。それでも世界中の人々が情報を受信したり、送信したりできることは革命的なことだったのです。インターネットへの接続が従来より簡単に行える「Windows 95」の登場や、パソコンとインターネット回線が個人に普及するタイミングとも相まって、ウェブは爆発的に使われるようになりました。
それまでの情報の受発信は、新聞社やテレビ局など独占的なプレーヤーしかできないことでした。それが限定的とはいえ、個人でも情報の受発信が可能になったのが「Web1.0」の時代だったのです。
時は流れ、それがさらに発展していったのが「Web2.0」と呼ばれるものです。Web2.0を提唱したのは、コンピュータ関連書の出版元として知られるオライリーメディアを創設した、ティム・オライリー氏でした。
Web1.0時代は、個人の情報発信が可能になったものの、マスメディアのように「多くの人に広く情報発信すること」はまだできませんでした。
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