簡単には折れない「強いメンタル」をつくる3つの方法とは? 【書籍オンライン編集部セレクション】

記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア

わたしたちはいま、スマホの普及に伴う情報過多とコロナ禍によって多くのストレスを日常的に抱え、「いつも疲れている」「なんとなくダルい」といった「脳の疲れ」が原因の症状が出やすくなっている。
そこで読んでおきたいのが、シリーズ累計28万部を突破しているベストセラー『世界のエリートがやっている 最高の休息法』だ。イェール大で学び、精神医療の最前線である米国で長年診療してきた精神科医・久賀谷亮氏が、「脳疲労」を解消できる「科学的に正しい」脳の休め方をストーリー形式でまとめた本書から、今回は一部を抜粋・編集し、簡単には折れない「強いメンタル」を手に入れるための「3つの方法」についてご紹介する。(構成/根本隼 初出:2021年10月10日)

簡単には折れない「強いメンタル」をつくる3つの方法とは? 【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock
【ストーリーのあらすじ】脳科学を学ぶために米イェール大学に渡ったナツ(小川夏帆)は、厳しい競争環境にさらされて挫折する。研究への復帰を目指し、伯父が営むベーグル店〈モーメント〉を手伝うことにするが、店のスタッフは疲れ切っていて職場の雰囲気は悪かった。ナツは店を立て直すべく、ヨーダにそっくりな外見のイェール大教授(ラルフ・グローブ)を訪ね、脳と心を休める「最高の休息法」マインドフルネスの極意を教わる。>>第1回から読む

簡単には折れない「強いメンタル」をつくるために必要な能力とは?

ヨーダ「ナツはレジリエンス(resilience)という言葉を知っているかね?」

レジリエンスについては、ナツも少しだけ調べたことがあった。もともとは「復元力」を意味する物理学の用語だ。負荷によって変形させられた物質が元の形に戻ろうとする力、それがレジリエンスという言葉の基本的なイメージである。

これがポジティブ心理学と呼ばれる分野に持ち込まれ、心にかかったストレスに対処する力、自らの精神を元に戻そうとする力を意味するようになった。レジリエンスの低い心は、一定の負荷がかかると折れてしまう。これを高めれば、簡単には折れない竹のような「しなやかな心」を手に入れることができる――。

「うむ、そのとおりじゃ」。ナツの説明に満足したヨーダは頷いた。「9・11のようなテロや東日本大震災のような災害で生まれる大きなトラウマはもちろんじゃが、より個人レベルでのストレスに直面したときにも、人間のレジリエンスが問われる。レジリエンスとは心の平静を保つ能力であり、その意味では脳の休息の基礎を成すものだと言ってもいい」

レジリエンスを高める方法とは?

ヨーダ「レジリエンスを高めるためには、どんな方法があるか、知っとるかな?」

ナツは待ってましたと言わんばかりに答えた。「楽観性ですよね。楽観的でいることで、脳の前帯状皮質の活動が変化したという研究を読んだことがあります。前帯状皮質はうつ病患者などで問題が見られることが報告されていますから、何ごとも楽観的に、前向きに考えるようにすることが、ストレスに強いしなやかな心をつくるというのは、ありそうな話じゃないでしょうか」

「あとは...人とのつながり、いわゆるソーシャル・サポートがレジリエンスを強めるという話も聞いたことがあります」

「スーパー!! さすがはナツじゃ」。満足気な表情のヨーダが答える。「他人との持続的かつ広範なつながり、あるいは、同じような境遇にある人との支え合いなどが、レジリエンスにプラスに作用すると言われとる」

「また、うつ病になりやすい遺伝子型を持つ子どもが虐待を受けたとしても、人との安定したつながりがある場合には、発症リスクが下がる。つまち、ソーシャルサポートという環境要因が、遺伝子の発現にも影響を与えていると推測されるわけじゃな」

メンタル強化に効果的な休息法とは?

「なるほど」ナツは頷きながら答えた。「レジリエンスは後天的に培うことができ、強化できるというわけですね」

「ふむ、さすがはナツじゃ。ただし......大事なのを1つ忘れておるぞ」

ナツはゴクリと唾を呑んだ。「マ、......マインドフルネス(注)?」

(注)マインドフルネス...評価や判断を加えずに、いまここの経験に対して能動的に注意を向けること。詳細はこちら▶ストレスや不安を解消したい人は必見!シンプルなのに効果的な「心のストレッチ」とは?

「スーパー!!」ニカッとヨーダが笑った。

ヨーダによれば、レジリエンスの脳科学的なメカニズムは、ニューヨークにあるマウントサイナイ医科大学の一連の研究で、かなり詳細に解明されているのだという。

レジリエンスが高いと、ストレスを克服できる

ヨーダ「たとえば、こんなマウス実験があるぞ。まず、マウスたちを攻撃性のあるマウスと一定期間にわたって同じケージに入れて(ただし身体的な接触はない)、ストレスで打ちのめされた状態にする。ただ、同じストレスを受けていても、そのあとで、攻撃的マウスに自ら進んで接触できる個体とそうでない個体がおるんじゃ。前者はレジリエンスのあるマウス、後者は心の復元力がないマウスと考えられる」

「そして、このとき引き起こされる脳内メカニズムは、マインドフルネスによるストレス低減の仕組みとかなり似通った部分があるんじゃ」

ナツ「つまり、マインドフルネス瞑想には、レジリエンスを高める効果が期待できるってことですか?」

ナツの質問にヨーダは答えた。「うむ。これまで見てきたような、マインドフルネスによるストレス反応のコントロールやストレスホルモンの調整を含めると、その可能性は十分あるぞ」

(本稿は、『世界のエリートがやっている 最高の休息法』から一部を抜粋し、編集したものです)


【TVで話題沸騰!】
シリーズ累計28万部突破ベストセラー!!
売行きNo.1のマインドフルネス入門書!

何もしなくても「脳」はどんどん疲れていく。

『世界のエリートがやっている最高の休息法
×ばつ瞑想で集中力が高まる』

イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす!
科学的に正しい「脳の休め方」とは?

なぜ世界的に有名な企業や経営者・アントレプレナーたちも、「この方法」を取り入れ始めているのか? イェール大学を舞台にしたストーリーを楽しみながら、「科学的な脳の休め方」の最前線がわかる一冊!!

[Lecture 0]先端脳科学が注目する「脳の休め方」
[Lecture 1]「疲れない心」を科学的につくるには? ― 脳科学と瞑想
[Lecture 2]「疲れやすい人」の脳の習慣 ― 「いま」から目をそらさない
[Lecture 3]「自動操縦」が脳を疲弊させる ― 集中力を高める方法
[Lecture 4]×ばつ「瞑想」 ― やさしさのメッタ
[Lecture 5]扁桃体は抑えつけるな! ― 疲れをため込まない不安解消法
[Lecture 6]さよなら、モンキーマインド ― こうして雑念は消える
[Lecture 7]「怒りと疲れ」の意外な関係性 ― 「緊急モード」の脳科学
[Lecture 8]レジリエンスの脳科学 ― 瞑想が「折れない心」をつくる
[Lecture 9]脳から体を治す ― 副交感神経トレーニング
[Lecture 10]脳には脳の休め方がある ― 人と組織に必要な「やさしさ」

世界のエリートがやっている 最高の休息法
世界のエリートがやっている 最高の休息法
久賀谷 亮 著
<内容紹介>

【「脳疲労」がすぐ消えて、頭が冴える】「疲れがとれない...」こんなに休んだのになぜ?――アイドリング状態でも勝手に疲労を溜めていく脳には「科学的に正しい休ませ方」があった! 集中力や行動力を高める究極の休息メソッドを、イェール大で学び、米国で18年診療してきた精神科医が明かす。

amazonで購入する 紀伊國屋書店で購入する 書店で購入する

特集

あなたにおすすめ

書籍オンライン

書籍オンライン 記事ランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • いいね!

愛読者クラブ登録

書籍 週間ランキング

(POSデータ調べ、12/15〜12/21)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /