「ヤフー・LINE統合」の理由は、孫正義氏の経営哲学にヒントあり

緊急特集「孫正義『300年帝国』構想の秘密」(1)

ダイヤモンド編集部
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孫正義,ヤフー,YahooPhoto:Bloomberg/gettyimages

ソフトバンクグループ傘下で「ヤフー」を運営するZホールディングスが、メッセージアプリ運営大手のLINEと経営統合に向けた交渉中であることが明らかとなった。そこでダイヤモンド編集部では、緊急特集「孫正義『300年帝国』構想の秘密」を全3回でお届けする。30年以上にわたってソフトバンクを率いてきた孫正義。彼の経営者人生の中で、変えてしまったこと、そして曲げなかった信念とは――。過去の発言から孫の経営哲学に迫ると、常に独占的な地位である「プラットフォーマー」の座を狙い続けるなど、今回の統合劇を読み解くヒントが見え隠れする。(敬称略)

「週刊ダイヤモンド」2017年9月30日号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

「利益1兆円クラブ入り」ができたのは
事業多角化を劇的に進めてきたから

ソフトバンクの孫正義というと、次々と企業を買収し、事業を拡大するイメージがあるだろう。飽きっぽく変わり身が早い印象を持つ人もいるのではないだろうか。

だが実は、1994年の「週刊ダイヤモンド」のインタビューでは、「コロコロ事業を変えたり、多角化したくなかった」と述べている(当該インタビューは記事後半に掲載)。にわかには信じ難い発言である。

ご存じの通り、それから20年余りでソフトバンクは、祖業であるソフトウエアの卸売りから見事といっていいほど多角化している。

投資先を含めれば、事業領域はテック業界を中心に人工知能(AI)、ロボット、医療など幅広く、海外メディアからは、テックコングロマリットと称されるまでになった。

だが、この言行不一致を特に批判したいわけではない。

技術の進歩や規制緩和などを見極めつつ、ブロードバンド事業や携帯電話事業に参入。リスクを取って成長してきた。

多角化を劇的に進めたからこそ、トヨタ自動車などごく限られた企業にだけ許される「利益1兆円クラブ入り」ができたわけだ。

時に前言をちゅうちょなく翻してでもチャンスをつかむ貪欲さは、経営者に求められる能力といえる。

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