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中村 お客様に、便利で使い勝手がいいと感じていただけるようにするには、デジタル接点において一人ひとりのお客様とリッチできめ細かいコミュニケーションを図る必要があり、それを実現するためのツールとして(プレイドの)「KARTE」シリーズのプロダクトを複数導入しました。
たとえば、SMBCダイレクトやアプリ上でのお客様の行動をリアルタイムに把握してポップアップ画面を表示したり、バナーで銀行のサービスや商品のキャンペーンを案内したりするなど、プロモーションに活用しています。
加えて、Oliveの申し込み手続きの導線でつまずきやすい箇所にポップアップを表示してお客様をサポートしたり、途中で離脱されたお客様が再びアプリにログインされた時に、手続きの再開を促すメッセージを表示したりするなど、顧客のUX向上に活用しています。
Hironobu Nakamura
三井住友銀行
リテールIT戦略部長
私たちにとってKARTEがすごくありがたいのは、こうした臨機応変なアクションをエンジニアに頼ることなく、自分たちで準備し、テストを行い、実装できることです。従来であれば、このプロセスだけでもかなりの時間と労力がかかっていました。
KARTEで解析するお客様のデータをマーケティング施策に活用して、顧客体験の最適化を図ることにも取り組んでおり、数値の面からも改善効果が表れています。
Oliveは、金融と非金融をまたぐ顧客体験の土台になる
柳澤 私は、顧客体験を向上させるには大きく3つのステップがあると考えています。第1ステップは、一つひとつの金融サービスを利用する際の顧客体験を向上させること。次のステップは、複数の金融サービスを横断する体験価値の創出。その次が、金融サービスと非金融サービスをまたいで優れた体験を顧客に届けることです。
いまは、eコマースを出自とする企業など非金融プレーヤーが決済や送金などのサービスを提供するようになっており、銀行にとって顧客体験をめぐる競争のプレッシャーが非常に高まっています。そうした中で、御社は2016年にインハウスのデザインチームを立ち上げるなど、顧客体験の向上にいち早く向き合ってこられました。
そうした取り組みによって、他社に先駆けて第1ステップをクリアされました。そして、Oliveをローンチされたことで、銀行口座やクレジットカード、証券、保険といった複数の金融サービスをシームレスに横断する顧客体験の提供という点でも大きく前進しました。
Oliveは今後、金融と非金融をまたぐ顧客体験を提供するうえでも、大きな土台になるものだと捉えています。また、2024年5月に開業した個人客向けの新コンセプト店舗「Olive LOUNGE(オリーブラウンジ)渋谷店」にも、金融と非金融の境界を超えた顧客体験という点で、大きな可能性を感じています。
Yu Yanagisawa
プレイド
CEO Office
中村 銀行の店舗は何かの用事があって行く所、言わば「Place to go」でした。それを、お客様が日常的に利用する場所、快適な時間を過ごす場所である「Place to be」に変えるのが、Olive LOUNGEの狙いです。
Olive LOUNGE渋谷店は、三井住友銀行渋谷店をリニューアルした店舗で、銀行ATMと、口座開設などの手続きや資産運用などの相談を受け付けるカウンターなどを備えた支店機能を持つほか、イベントスペースやスターバックスの店舗、コワーキングスペースを併設しています。
スタバで配っているコースターに印刷されたQRコードをスマホで読み取ると、Oliveのアカウント登録ができるといったリアルとデジタルをシームレスにつなぐ仕掛けをいくつか用意しています。また、Oliveアプリのスマホ決済機能でスタバやコワーキングスペースの料金を支払うと、利用金額の10%相当のVポイントが還元されるなどの特典もあります。
異業種から金融サービスへの参入が増える中で、お客様にとっての安心の源になっているリアルの接点を持つ私たちの強みを活かしながら、それをデジタルと連携させ、さらには非金融サービスと融合させることで、お客様の生活に寄り添う新たな価値を提供するカギとなるのがOlive LOUNGEです。
1995年三井住友銀行入行。支店で法人・個人営業を経験。2001年から主にリテールビジネスの企画・管理業務に従事。ITやデータを活用した業務フロー変革や、外部事業者との提携事業、グループ事業戦略の策定および再編を担当。直近ではキャッシュレス推進、DX推進プロジェクトにも従事。2021年より、現職。
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