(本稿は『すずめの戸締まり』のネタバレを含みます。) 『すずめの戸締まり』は新海誠監督の最新作だ。公開初週に観たのだが、消化するのに時間がかかり、なかなか感想がまとまらなかった。 観た直後は『君の名は。』>『すずめの戸締まり』>『天気の子』という評価だったのだが、原作小説を読んで考え続けているうちに色んなことが見えて来て、『君の名は。』と匹敵するぐらい評価が高まってきた。 新海監督は震災について11年間考え続けて本作を作った。はてブでは「こことこことここが良く分からん。駄作!」みたいな感想が話題になっていたが、たった一週間で何が分かると言うのか。駄作と判断するのはせめて新海監督の百分の一ぐらいの時間をかけて考えてからでも遅くないだろう。 本稿では2点について論じる。1は軽度のネタバレ、2は重度のネタバレを含む。まだ観ていない方は鑑賞後に読むか、1だけ読んで頂けると幸いだ。 1草太が椅子にな