公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団

顕彰・助成実績

平成24年度受賞者

しかく 第23回 「全税共 人と地域の文化賞」

第23回「全税共人と地域の文化賞」贈呈式が、2015年2月19日 帝国ホテル東京にて開催されました。
本年度は芸術活動分野から長谷川孝治氏が受賞されました。

賞金 100万円(全国税理士共栄会文化財団) 副賞 100万円(全国税理士共栄会)



芸術活動分野
長谷川 孝治(青森県)

長谷川 孝治(青森県)〜地域演劇活動とその国際的広がり〜
長谷川孝治氏は1978年に青森県で創設された「劇団弘前劇場」の主宰者として、38年間にわたって劇作家、演出家として〝地域演劇〟の活動を続けてきた。地元・青森だけでなく常に東京でも上演し、太宰 治の「津軽」を原作とした屋外劇や日中韓共同制作の東日本大震災を題材にしたコラボレーション作品にも取組み、地域という概念をグローバルな視軸で広げた活動は国内外から高い評価を受けている。



しかく 第24期助成

芸術活動分野
1一般社団法人日本テレマン協会(大阪府大阪市)

50年以上のキャリアを持つバロック音楽の専門団体であり、バロック時代・古典派・現代の各時代の楽器を弾き分けることができるメンバーを有する団体としては日本唯一の存在。また指揮者の延原武春氏はドイツより功労勲章を受章するなど、その価値は国際的に認めら れている。地元で毎月開催しているサロンコンサートは、著名な奏者を招聘せず地域の演奏者で行うなど育成にも尽力している。

2岩渕 貞太(東京都北区)

2005年から身体/空間/音楽等に着目した振付作品を発表、身体・音楽・照明・美術において新しい挑戦を推し進め新鮮な身体的挑戦を提示し続けている。劇場外でも空間の特性を活かしたパフォーマンスを発表、ワークショップの開催など多方面で活躍している注目すべき若手ダンサーである。(写真/「斑(ふ)B」Hironobu Hosokawa)

3公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団(京都府京都市)

「青少年のオーケストラ活動の支援」と「京都の音楽文化の振興」を目的に、平成17年度に設立された。10歳から22歳までの青少年を対象とし、オーケストラのメンバーをオーディションにより選抜、今年で設立10周年を迎える。平成20年からスーパーバイザーに京都市交響楽団指揮者・広上淳一氏を迎え、同楽団メンバーの指導のもと日々修練を重ねている。

4HOT HEAD WORKS PROJECT(東京都調布市)

ベルギーのダンスカンパニー創立メンバーである池田扶美代による若手ダンサーへの振付けと共演、世界で活躍する音楽家である加藤訓子との協働作業の作品を完成させる。エンターテイメントや圧倒する技術で吸引することが多い現在の日本ダンスシーンの中、自由に観客との新しい関係を計る。

5オーケストラ・トリプティーク(神奈川県茅ケ崎市)

日本初の弦楽オーケストラ曲から委嘱作品までをCD化するという企画は、日本の作曲家による作品を広く社会に波及させ、日本人が作曲した音楽は固有の価値を有する日本の文化遺産である、という認識を社会一般に広めることを目標ための活動を行っている。


6特定非営利活動法人京都フィルハーモニー室内合奏団(京都府京都市)

40年以上にわたりフルオーケストラとは一線を画した活動を続け、小編成の利点を活かし聴衆との親密な関係を築いてきた。これは関西だけでなく、数多くのシンフォニーオーケストラがひしめく現状において非常に貴重である。10月に開催する200回記念の定期公演では、狂言師・茂山童司とのコラボレーションを実現し、新進気鋭の作曲家に委嘱した新作では3台の琴が活躍する。

7まことクラヴ(東京都文京区)

ダンスを軸に生演奏や演劇要素も取り入れた複合型パフォーマンス集団。金沢21世紀美術館では美術館のみならず街中に出没するパフォーマンスを展開し、空間の環境だけでなく社会環境も敏感にとらえた状況パフォーマンスを演じた。アートスペース・商店街・電車内など劇場以外の空間を自由に使いこなすダンスカンパニーである。

8川口 隆夫(東京都中野区)

ダンスカンパニー"ダムタイプ"のメンバー。ここ数年は自身のプライベートな記憶をもとにしたシリーズ的な作品や、独特の視点から題材をみつけたパフォーマンス作品を作っている。常に自身の体験、経験という確固たる出発点があり、そこに時代や人の歴史などを羽織らせることで視覚化される独特の世界を構築してきた。

9Torus Vil.(東京都文京区)

国内外の伝統芸能や大衆文化を学びつつ創作を行う広い分野の芸術家のネットワークとして組織。現代に必要とされる「場」作りを目指すプロジェクトであり、音楽やダンスを始めとする様々な領域のアーティストを繋ぎ、公演やワークショップ、アーカイブ制作を行う。2014年、音楽家・佐藤公哉の呼びかけによりスタートした。

10多田 汐里(神奈川県横浜市)

映像作家;赤川純一、演出家ダンサー;多田汐里、ダンサー;ロス・マクコーマックによる日本とニュージーランド国際コラボレーション作品。身体と映像を対等な関係として融合させる表現の作品では、日本、イスラエル、中国などで国際的な評価を獲得。特にマクコーマックは日本でも注目されるアーティストである。

11CHAiroiPLIN(東京都目黒区)

スズキ拓朗を中心に結成されたダンスカンパニー。キャストは個性あふれる演劇人・ダンサーで構成し、台詞・歌・オノマトペなどを取り入れながら&l×ばつ演劇>というコンセプトのもと【エンターテイメント性の高い、老若男女が楽しめる舞台】の目標を掲げた公演を続ける。近年は活動範囲を拡大し、小学校や大学の芸術鑑賞会への招聘や映像作品にも参加している。

12Dance Fanfare Kyoto実行委員会(京都府京都市)

コンテンポラリーダンスに関わる若い世代のアーティスト、制作者が運営スタッフとして企画を立ち上げ、ジャンル・バックグラウンド・世代の境界を越えた対話や、情報の共有と交換、問題意識を投げ合う場として2013年にスタート。演劇・音楽・美術など異なるジャンルのアーティストが集い緻密で大胆な共同制作を行っている。京都のアートをめぐる現状に新風を吹き込むことを目的としている。

13一般財団法人TODAY IS THE DAY(広島県広島市)

広島原爆投下70周年という節目となる本年、国際的なキュレーターをメンバーに迎え社会とリンクしながら世界中から集まるアーティスト達の作品を展覧する。平成23年3月11日の 東日本大震災以後、改めて見直されつつある深刻化する人類や地球の存続の危機に対して、これまでの社会の価値観を問い直すことの意義を提示する活動を行っている。

伝統芸能分野
1唐桑大漁唄込復活推進実行委員会(宮城県気仙沼市)

東日本大震災以降、唐桑の郷土芸能4団体が大同団結し発足。高齢化が進み多くの若者が流出している被災地において、後継者を育成しなければ伝統芸能は存続できず、伝統文化が復活しなくては地域は再生できないため「心の復興」を合言葉にし活動している。

2湯原神社式三番保存会(長野県佐久市)

湯原神社の式三番は260年以上の歴史をもち、秋の例祭として9月の最終日曜に行われる伝統芸能である。昭和56年に長野県指定無形民俗文化財に指定された。秋の奉納の他には、伊勢神宮における奉納や県内・市内での記念式典、イベント等への出演をしている。また式三番を理解してもらうための解説用パンフレットや、古語で分かりにくい詞章を現代語にした「超訳」を作成、さらに映像をDVD化し後世に伝承する活動をしている。

3松森町津軽獅子舞保存会(青森県弘前市)

弘前藩の庇護を受け、藩主上覧や八幡宮祭礼参加などの名誉を持つ獅子舞の伝統を伝える芸能であり、津軽地方の獅子舞の中には松森町から教えを受けた地域も多い。上演が途絶えた演目の復活に取組む一方、地域外の人々を受け入れるなど新しい時代に即した活動を模索している。

4永井地区まちづくりの会(岩手県盛岡市)

永井地区に伝わる「永井さんさ踊り」は約115年の歴史があるが、後継者不足により上永井地区の盆踊りで一部踊られているだけであった。地元小学校では踊りの練習以外にも、郷土愛を育むことを目的に伝統芸能クラブが発足するなど学校教育の一環として学ぶなど伝承活動を展開している。


5安乗人形芝居保存会(三重県志摩市)

400年余り受継がれていた安乗人形芝居は、昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定された。毎年9月に開催される奉納上演をはじめとする活動を通して、日頃の練習の成果を披露し、後継者育成のために小学生に人形劇、中学生には人形芝居の指導に努めている。学校行事での上演のほか県や市町からの要請に応え公演を行うなど、保存・継承ならびに啓発、地域振興のため幅広く積極的な活動を展開している。

6西流本町(福岡県飯塚市)

享保年間に始まった飯塚山笠は、西流・東流の二団体により奉納行事として行われてきた200年以上続いた伝統芸能であるが、筑豊炭鉱の閉山や人工流出に伴う担い手不足により昭和36年頃に途絶えた。しかし地域の活力を取り戻すためこの伝統芸能を昭和46年に復活、現在は五つの団体で山笠が行われ、飯塚市において人材育成、町内活動の活性化、人脈形成に欠かせない行事となっている。

7小川獅子舞保存会(高知県安田町)

300年以上の歴史があり、テガイ子(踊り手)は小学生から中学2年生までの男子女子からなる。近年は過疎化の影響により、子供数の減少や地域の小学校の閉校により活動を維持することが困難となっている。同保存会が中心となり安田町全体で子供の参加を募り、地域の誇りである小川獅子舞の再興と地域の活性化を目指し取組んでいる。


8大船渡復興まつり実行委員会(岩手県大船渡市)

東日本大震災の被災地を盛り上げるため、大船渡市民が協働で作り上げた祭りは今年節目の5回目を迎える。毎年未来への希望のために開催される祭りは地域経済と文化の復興の手助けとなっているが、今年は韓国の団体も参加するなど更に大きな実りをもたらしてくれるであろう。



9飯田町吾妻町町内会(石川県珠洲市)

毎年7月に開催される燈籠山祭りは、能登では珍しい祇園祭(曳山祭)として400年近くの歴史がある。高さ約6メートルの人形を載せた豪華絢爛な曳山を燈籠山といい、その制作や組 立てには入っての技術が必要だが、その技術を自分たちの手で後世に継承するべく小学生から年配者までの町民が力を合わせて取組んでいる。 若者や子供達の祭りへの期待と郷土愛を育み、燈籠山祭りの継承、地域の活性化、過疎化を食い止めることに繋がると信じて活動している。

10滝山地区瀧山太鼓保存会(山形県山形市)

小学生と指導者である大人の2部門で演奏している団体。なり手と指導者の不足により継承が難しいため、子供たちに豊かな創造力や仲間との信頼関係を育むことを目的とした指導をしている。その結果、成人した子供たちがなり手として加わるなど後継者育成の成果も表れている。

伝統工芸技術分野
1天命鋳物伝承保存会(栃木県佐野市)

佐野市の天命は平安時代中期に期限をもつ東国で最も古い鋳物制作地だった。室町時代には茶の釜の産地として隆盛をみたが、現在鋳造業は4工房しかなく技術・歴史は衰亡の危機に ある。保存会として工芸史などの研究者や鋳造作家による講演会、技術・歴史の継承活動、 県の指定文化財である天命鋳物の生産用具・資料の整理保存、研究会及び後継者育成講座の 開催など、天命鋳物を後世に伝える様々な活動を行っている。

2阪本 茂作(奈良県奈良市)

7、8世紀の東洋文化の枠9千点余りからなる正倉院御物の復元模造や、文化庁の事業である 「国宝 古神宝類の復元模造事業」の中から、春日大社が所蔵する平胡籙(ひらやなぐい)の 復元模造の依頼を受けてその制作を行っている。 復元模造制作を行うことで、工芸品の材質や製作技法等の再現と伝統的技術の継承のみならず、 移動や公開展示に伴う原品のリスクを軽減できる。また、復元模造はレプリカを制作するので はなく原品のオリジナルの要素を正確に抽出し、可能な限り当時の姿を再現することを目指す ものである。

3八幡酒蔵工房「いまさかPJ」(滋賀県近江八幡市)

近江八幡市の琵琶湖水郷に面した八幡山をベースに里山再生に取り組む。 化学燃料の登場により生活様式が変化したことで進んでいる里山の荒廃を止めるため、耕作 放棄地の有効利用、放置竹林の整備作業を行っている。 特に伝統工芸である竹編みの技術を地域住民に普及させ、愛好者を増やすことで伝統工芸の すそ野を広げ、伝統竹工芸技術の継承を図っている。

4松本みすず細工復活プロジェクト(長野県松本市)

みすず細工はスズタケを使用して作る生活用品。昔は農家の冬の副業であり、嘉永2年(1849)に は特産品として有名だったと言われている。昭和に入りプラスチック製品が普及すると衰退し はじめ、平成21年には継承者が途絶えた。 このプロジェクトは、伝統のあるみすず細工の技術を後世に継承すべく全国各地の竹細工職人か ら学び歴史を調査し、製品を復元するなど普及活動に努めている。

5公益財団法人滋賀県陶芸の森(滋賀県甲賀市)

現在は数軒でしか使用していない登り窯は、昭和40年代まで信楽を代表するスタイルの窯で あった。また、薪で焼成することからやきものの原点というべき窯である。 信楽高校セラミック科を中心に登り窯の知識や信楽焼の伝統に触れ、その伝統のひとつである 登り窯焼成技術の継承を図るため、信楽で制作する陶芸家や産業後継者も参加した「登り窯焼 成事業」を行っている。

6下出蒔絵司所(京都府京都市)

蒔絵は仏壇仏具の装飾や漆器の装飾に用いられることが多いが、近代は生活様式の変化により仏具や漆器の需要が低迷しており、それにより蒔絵職人の仕事量が減少している。また、蒔絵技能者の高齢化が進み早急な後継者育成が必要とされているが、現状は大変に厳しい。若手職人の作品制作と制作行程の文章化を推進、対外的に発信していく活動をしている。

7文間楮-利根町で育てる紙の木-プロジェクト(茨城県利根町)

近代化による機械化、生活スタイルの変化等に伴う和紙の需要低下により和紙業界が衰退し、また後継者人口の減少などで日本的文化である「和紙」の伝統技法の継承が危ぶまれている。 2011年より茨城県文間村(現利根町)にて和紙の原料である楮の栽培を始め、その製法(漉き方)から製品化に至るまでの制作過程の保存継承、そして『和』を冠する紙文化を未来へと紡ぐ取組みを行っている。

8龍村 周(京都府京都市)

伝統織物の普及発展に貢献してきた精神を代々受け継ぐ。日本の文化であり宝である錦の伝統織物は多くの工程があり高度な専門技術を要する。近年は職人の高齢化や経済不況等により衰退の危機にあるため、技術の保存と後継者問題の解決の糸口になるような作品を創造し、展覧会や講演会を通じて世に発信する。

9公益社団法人日本左官会議(東京都中央区)

伝統技術をもつ左官職人が中心になり設立された。全員が現役であり、文化財指定の土蔵、寺社をはじめ現代住宅などに土や漆喰などを取入れる仕事を手掛けており、左官の立場から発信を行っている。しかし職人の視点や考察が一般に知られることはなく記録化もされにくいため、研修会を開き伝統文化を見直し、修復の技術と共に後世に継承していくことを目的としている。

10公益財団法人仙台市市民文化事業団(宮城県仙台市)

埋木細工は仙台にしかない伝統工芸であるが、亜炭鉱山の閉山と共に埋木採掘が終了、新たな原材料が確保できないため技術や文化が消滅しようとしている。そのため現在ある工芸品を保存し価値を広めることで、地域文化への再認識が高まり新たな貴重資料の発掘に繋がっている。

人材養成事業分野
1公益社団法人全国公立文化施設協会(東京都中央区)

全国各地の公立文化施設は、文化芸術の鑑賞機会を提供し市民や芸術家等との連携を通じて文化性豊かな地域社会づくりを目指して様々な活動を行っている。これら活動を着実に展開していくため、また「地方創生」を実現する上でも公立文化施設の役割は重要となるため、各施設の職員の能力や専門性を高める人材の養成事業を行っている。


2公益財団法人横浜市芸術文化振興財団(神奈川県横浜市)

横浜市全域での歴史的建造物などを再生・活用し、横浜独自の魅力を活かした文化環境づくりをしている。また、専門家や住民が交流して文化創造・発信をし、ボランティアを希望する市民や大学生などにツーリズムに関する研修プログラムを実施することで広く理解を深めてもらう機会となるよう活動している。
写真/横濱JAZZPROMENADE ©YJP(撮影:クルー佐藤)

3いずみホール協働事業体(東京都国分寺市)

国分寺市市制施行50周年記念の冠事業として、アートプロデューサーの育成を目的に3年間にわたり実施していく。講座参加者は、同市にあるいずみホールで上演する本格的な芸術文化事業の企画立案から上演までの実務を学ぶ。新たな公共ホールの役割を目指す点で独創的な事業であり、市民による地域文化の活性化をめざすためにも欠かせない人材養成事業である。

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