部門長・学科長挨拶
健康は、個人の幸福はもちろんのこと社会全体の発展においても基盤となるものです。現代社会は、日々新たな課題に直面しており、環境問題、急速に変化するライフスタイル、諸種のストレスなどは、私たちの身体的、精神的健康に多大な影響を及ぼしています。保健学は、これらの問題に対処し、より良い未来を築くための鍵となります。この学問は、病気の発見から予防・健康増進、リハビリテーションに至るまで、幅広い分野をカバーしています。
社会から大学に対して、保健・医療・福祉における様々な課題に対応できる高度専門医療職の人材育成が求められており、看護学、放射線技術科学、検査技術科学のそれぞれの専門領域を連携できる保健学部門・学科の意義は大きくなるばかりです。
九州大学医学部保健学科は、1903年(明治36年)に設立された福岡医科大学附属医院看護婦養成科を母体として、1969年九州大学医療技術短期大学部の設置を経て、2002年(平成14年)に誕生しました。さらに、2007年(平成19年)大学院医学系学府保健学専攻(修士課程)、2009年(平成21年)同博士後期課程、2015年(平成27年)修士課程助産コースを設置しました。また大学院では、アジア保健学コース(修士課程)、保健学国際コース(博士後期課程)も併設し、おもにアジア諸国からの留学生も受け入れています。
九州大学医学部保健学科および大学院医学系学府保健学専攻では、科学的根拠に基づいた最新の知識と技術を提供し、看護師、保健師、診療放射線技師、臨床検査技師および助産師等の育成を行っています。また、国際的なリーダーとなる医療人や研究者を多数輩出しています。
優れた医療人として活躍するには、高度な知識や技能を修得するだけでなく、豊かな人間性や教養を身につけること、他領域の人々と協力して問題を解決する能力も必要とされます。また、変革の時代にあって、新たな問題に直面した時に、解決に向けた研究マインドも培っておく必要があります。私たちは、人々の健康を支える専門家として成長できるよう多方面から支援し、保健学の将来を担う優れた医療人を育成することを目指しています。