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本県沿岸にとどまるだけでなく、広く回遊する魚類について、水産研究・教育機構や関係都道府県と協力して、資源動態や回遊生態を把握するための調査を実施しています。再捕された標識ブリ
トラフグ、マアナゴ、クルマエビなどを対象に、資源動向を把握しながら放流実験、漁獲物の市場調査などを行い、資源の変動機構解明や種苗放流による資源増大技術の開発を行っています。
伊勢湾口から渥美外海、遠州灘、熊野灘にわたる海域には固有のトラフグ資源が分布しており、三重県安乗沖を中心とした伊勢湾口外域に産卵場があることが判明しています。このトラフグ資源を対象として、平成11年度に三重、愛知、静岡の三県のフグ延縄漁業者がトラフグ延縄漁業の管理計画を策定し、平成19年度には「あのりふぐ」として三重ブランドにも認定されました。一方でトラフグは年による加入量の大小が激しく、安定した漁獲には種苗放流による資源の添加が重要です。これまでの研究により、放流場所としては伊勢湾がもっとも効果的であることが示されました。
日本周辺海域を生息域とする魚介類について、生物資源としての適切な維持・管理を図るため、卵・稚仔魚の採集調査、漁獲物の市場調査、魚群の分布調査などを通じて、資源動向の把握や生態に関する研究を行い、国が主体となって実施する重要魚種の資源評価調査や広域回遊資源来遊動向調査事業にも参画しています。また、漁場の形成に大きな影響を与える海の状態(海況)に関する研究のため、調査船による海洋観測や設置型の計測器による水温・塩分の測定、人工衛星画像による沿岸の海洋環境の調査を行うとともに、これらの結果を漁海況速報や人工衛星海況速報として、ホームページやFAXサービス、携帯電話用ページを通じて漁業関係者および一般県民に広く情報提供しています。
海面水温の分布とカツオ漁場位置(黒丸)
1990年代後半以降、熊野灘でもっとも漁獲されている魚で、太平洋沿岸に生息する群れはひとつの系群に属するとされています。熊野灘で漁獲されるゴマサバは0〜2歳の未成魚が主体となっていますが、資源豊度の高い3歳以上の年級群は、産卵回遊を行う2〜4月にまとまった来遊がみられます。2009年級群は卓越して豊度が高く、長期にわたって熊野灘でも多獲されました。その0歳時の秋冬季の体長組成の推移から、新しい群れが次々と熊野灘に来遊していたことが示されました。一方、熊野灘で実施された標識放流結果によると、熊野灘で放流された魚は短期間に再び熊野灘で再捕され、熊野灘から他海域への移動状況を明らかにすることはできませんでした。
わが国周辺の水産資源の現状を知るために (水産庁委託事業)
AgriKnowledge(論文検索:農林水産省のデータベース)
掲載論文:熊野灘におけるサバ類2009年級群の加入. 黒潮の資源海洋研究12号
栽培漁業では漁獲対象生物の子供を自然界でも強く生きていけ左尾肢を切除標識後、漁獲回収されたクルマエビる大きさまで人工的に育ててから放流し、大きく成長したものを漁獲することを目的としており、漁業収入や資源の下支えとなります。放流しようとする生き物の自然界での生態や、生息環境、標識放流などの様々な調査を通し、放流技術の向上や開発に取り組んでいます。