ホスピスが美術館になる日 ケアの時代とアートの未来

ホスピスが美術館になる日

医療現場における新たなアートの可能性を探る

著者 横川善正
ジャンル 哲学・思想
社会福祉
社会 > 芸術
出版年月日 2010年11月20日
ISBN 9784623057320
判型・ページ数 4-6・312ページ
定価 定価2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり

川崎和男氏推薦!(デザイナー、大阪大学大学院教授、名古屋市立大学大学院名誉教授)
「美が死をつつんでいる」

人は死をつつましく受け入れていく。
そのつつましさをアートが支える。
これを「メメント・アルス」だという。
生と死の連携の場、ホスピスにアートを配置し、
ターミナルケアにデザインを連動させるという提言である。

本書は、ホスピスでの実践、英国の福祉・芸術の動向、障害者の創作の場である「アトリエ・インカーブ」の取材等を通して、アートの側から新たなケアのあり方を模索するとともに、従来のデザインや芸術教育に対して警鐘を鳴らし、次代のアーティストの役割を展望する試みである。

◇第39回 泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞

序 章 テルミヌスの庭はどこに

第1章 ターミナル・アートの時代
モノからケアへ
終わりを受け入れるアート
「もてなし」のかたちと「倫理」
近代の忘れ物
外に出た「家」と新しいユートピア
境界神の復活
過渡を生きる「寄り添いびと」
「ターム」の境界線
まずは一本、線を引いてみよう
新しい時間をつくるところ

第2章 医術はかつて美術であった
美と医の地霊
ケアの時代のアーティスト
「絶対美感」
アーティストよホスピスにゆこう
田んぼのみえる緩和ケア病棟
医の感性は目と手とこころで磨かれる
そのとき息を重ねるひとがいて欲しい
痛みが悪魔でなくなるために
制度がつくる「弱者」
デザインの原点にあったもの
制約を引き受ける才能
生き甲斐から死に甲斐の世代へ
いのちをもらうところ

第3章 開かれる「終の住処」
――英国の福祉とコミュニティの力
羊の群れと監視カメラの数
ウィンチェスターの「もてなしの館」
ユーモアはこころの点滴
「フェア」になることの歓び
マラソンランナー、ハリエット女医
風鈴の鳴る庭--なぜ「また会いましょう」が言えなかったのか
「良医」は辺境に
芸術教育の現場としてのホスピス
再生のコミュニティ
補い創る治療-―O・TからC・Tへ
最後まで触れていたいもの-―子供のホスピスの未来

第4章 突き抜けるアート
-―障害者の自立へ、あるデザイナーの挑戦
アウト&イン
ロスト・イズ・ゲイン
「アトリエ・インカーブ」-―新しい芸術の発信基地
限られた時間
ありのままのココロがカタチになったアート
開きながら閉じる、テルミヌスの極意
すき好んで障害者になったのではない
永遠の無垢とオリジナリティ
抗弁できない才能
感動のそばにあるもの
究極のコミュニケーター

第5章 もうひとりのアーティスト、もうひとつのアート
空港のターミナルから
本物と「本物もどき」のあいだ
坑道のカナリヤ
ボランティアというアーティスト
橋を架けるひと、渡るひと
限界と協働のエクスタシー
もう一つの境界、遊びの掟
ホスピス・ミュージアム、直島の「南寺」
モランディの静寂、カルシュームに還る
「コウゲイ」セラピー
「芸農連携」、アートはアグリから
これからのアーティストたち

終 章 世も末だというまえに
納得のゆく線引きを
かたちは、あきらめたとき見えてくる
無垢の恢復、患者が子供に返るとき
人生という「作品」の仕上げに向けて
本番直前のリハーサル
自然の「告知」に耳を澄ませて
「メメント・アルス」

参考文献
あとがき
索 引

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