近代フランスの歴史学と歴史家 クリオとナショナリズム
実証主義史学を再評価する
著者 | 渡辺 和行 著 |
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ジャンル | 世界史 |
シリーズ | 世界史 > MINERVA 西洋史ライブラリー 83 |
出版年月日 | 2009年11月05日 |
ISBN | 9784623055326 |
判型・ページ数 | A5・464ページ |
定価 | 定価6,600円(本体6,000円+税) |
在庫 | 在庫僅少 |
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主に政争の具とされてきた歴史がアカデミックな歴史学として成立したこと(科学化),また,高等・中等教育の改革や歴史学講座新設に尽力した歴史家たちが,大学やグランド・ゼコール等の教育機関の歴史講座を領有していったのか(制度化),さらに,歴史教育がいかに国民形成に関与(国民化)し、第三共和政に支配の正当性を付与したのかを解明する。十九世紀後半、フランス第三共和政前期に焦点を当てつつ、教育史や科学史の成果を取り入れ歴史を描いた知の社会史。国民形成への「ナショナル・ヒストリー」も含めて論じる。
第I部 歴史学の科学化と制度化
第1章 一九世紀フランスの高等教育の実態
第2章 教育改革の序曲
第3章 フランス実証主義史学の成立
第4章 高等教育改革と歴史家
第II部 世紀転換期フランスの方法論争
第5章 実証主義史学への挑戦
第6章 『アナール』の揺りかご
第III部 歴史学の国民化
第7章 義務の共和国
第8章 クリオとエロイカ
第9章 ガリアの英雄とナショナル・アイデンティティ
第10章 ドレフュス事件と歴史家
終 章 歴史学の現在
あとがき
人名索引