月刊 経団連2022年6月号
特集 成長の牽引役たるスタートアップの躍進を
巻頭言
異なる強みでエンパワーし、イノベーションで切り拓く未来社会
企業を取り巻く課題は複雑化し、激動の時代にある。 一方、最先端の技術により、社会課題の解決につながる新たなサービスが生み出されており、テクノロジーの持つ未来を切り拓く力を改めて感じている。
特集
成長の牽引役たるスタートアップの躍進を
スタートアップは社会課題の解決やイノベーションを生む仕組みとして最も優れたスキームの1つであり、世界各国でスタートアップ振興が積極的に進められている。我が国においても、キャピタリストや起業家の先駆者が道を切り拓き、制度面の整備も進められてきたものの、一足先にスタートアップ施策を打ち立てた諸外国との差は開く一方である。
このような状況を踏まえ、経団連では2022年3月に提言「スタートアップ躍進ビジョン─10X10Xを目指して」を公表し、持続的成長の新たな牽引役としてグローバル級のスタートアップを継続的に創出するとの目標を掲げた。
座談会:スタートアップエコシステムのさらなる飛躍に向けて
- 南場 智子 (経団連副会長、スタートアップ委員長/ディー・エヌ・エー会長)
- 髙島 宗一郎 (福岡市長)
- 松尾 豊 (東京大学大学院工学系研究科教授)
- 瀧 俊雄 (スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員/マネーフォワード執行役員)
- ■しかく スタートアップ振興の重要性とそれを取り巻く環境
- 裾野・高さとも5年で「10X10X」の世界に
- ■しかく 世界中から人や企業が集まる都市へ
- 福岡市の10年間の軌跡
- 身近な起業家の存在が起業のハードルを下げる
- ■しかく グローバルを目指すスタートアップの創出
- リスクへの向き合い方を変えること
- 産業と地域の掛け算でグローバルに戦える道が見えてくる
- スタートアップの規制緩和で起業しやすい環境構築を
- ■しかく 起業家人材の育成
- 学校教育の場で今の時代に必要な能力を付ける
- アカデミアと国の連携で産業が求める人材を輩出
- 10X10Xの世界の実現に向けて
「スタートアップ躍進ビジョン─10X10Xを目指して」を公表
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/024.html
- スタートアップ振興の重要性
- 5年後の目標と目標を実現するために起こすべき7つの変化
- 7つの変化を起こすために必要な施策
スタートアップ・エコシステムの抜本強化に向けた提言
平井 卓也(衆議院議員/自由民主党デジタル社会推進本部長・スタートアップ議員連盟会長)
- 「新しい資本主義」実現の鍵はスタートアップ
- スタートアップ司令塔の創設
- スタートアップ関係税制の抜本拡充
- 海外VCからの投資拡大
- 起爆剤としての「Web 3.0」
スタートアップ都市・東京の実現に向けて
宮坂 学(東京都副知事)
- なぜ東京都がスタートアップ支援に取り組むのか
- 世界における東京・日本の現在地
- 東京をスタートアップ・エコシステムのグローバル拠点都市に
- スタートアップを都政のパートナーに
- 真のグローバルなスタートアップ都市への飛躍に向けて
スタートアップ大国への挑戦で新資本主義を実現
斎藤 祐馬(スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員/
デロイト トーマツ ベンチャーサポート社長)
- 国のトップによる継続発信がスタートアップの成長を促す
- 2021年の資金調達額は過去最高
- ユニコーンの近道は大企業発ベンチャー
- 基盤固めには起業家教育が不可欠
- スタートアップ庁の新設を
KDDIのオープンイノベーションの取り組みとソラコムのインパクトグロース戦略
中馬 和彦(スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員/
KDDI事業創造本部副本部長)
- KDDIの歩みとオープンイノベーションのDNA
- オープンイノベーションの目的と「How」
- ソラコムというケーススタディ
- ユニコーン創出の「インパクトグロース戦略」
スタートアップ躍進のための人材流動化とは
×ばつ人材・キャリアシンポジウム
進む「キャリアの自己責任化」と副業・兼業
岩崎 由夏(YOUTRUST代表取締役)
アルムナイ(退職者)の価値転換
―ネットワーク形成により「損失」から「資産」へ
鈴木 仁志(ハッカズーク代表取締役)
レンタル移籍(出向)は日本的な人材の流動化策
原田 未来(ローンディール社長)
終身雇用から終身信頼へ
―辞めるか、染まるか、変えるか
濱松 誠(ONE JAPAN共同発起人・共同代表)
パネルディスカッション
- 「退職」をどのようにとらえるか、副業を認める潮流は不可逆か
- 多様な働き方の選択肢がある社会を目指す
- 大企業とスタートアップの連携で共に変革を進めていきたい
山形県鶴岡市におけるスタートアップエコシステムの形成
関山 和秀(Spiber代表執行役)
- タンパク質素材の実用化により循環型社会の実現を目指す
- 慶應義塾大学先端生命科学研究所と鶴岡サイエンスパーク
- 鶴岡サイエンスパークを特徴づけるもの(志、戦略、リスクテイク)
- 地方都市の利点や課題
アントレプレナーシップ教育の重要性
小宮山 利恵子(スタートアップエコシステム変革タスクフォース委員/
リクルートスタディサプリ教育AI研究所所長)
- GIGAで時間ができる
- アントレプレナーシップ教育の現状
- リクルートの取り組み
一般記事
【提言】
Society 5.0の扉を開く
―デジタル臨時行政調査会に対する提言
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/032.html
十倉 雅和(経団連会長)
- Society 5.0の実現に向けた3つのステップ
- その先にあるSociety 5.0へ
【提言】
「防衛計画の大綱に向けた提言」を公表
―防衛産業政策の実施を求める
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/035.html
泉澤 清次(経団連防衛産業委員長/三菱重工業社長)
- 厳しい安全保障環境
- 防衛産業の現状
- 防衛産業政策の具体的施策
【報告書】
エンゲージメントと労働生産性の向上に資するテレワークの活用
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/036.html
淡輪 敏(経団連雇用政策委員長/三井化学会長)
内田 高史(経団連雇用政策委員長/東京ガス社長)
- テレワークの現状と今後の方向性
- テレワークの活用に必要な取り組み