法医学研究の発表における個人情報等の保護に関する指針
Protection Guideline of Personal Information on Research Publication in Legal Medicine
法医学研究の発表における個人情報等の保護は、医師、歯科医師及び薬剤師免許の有無に拘らず法医学者に課せられた責務である。医学論文あるいは学術会議等で発表される症例報告を含む研究は、法医学の進歩・発展にきわめて重要であるが、症例報告を含む研究では個人や事件の特定ができないようにする配慮が必要である。そこで、特定非営利活動法人 日本法医学会はここに、法医学研究の発表等における個人情報等の保護に関する指針を定めた。
「日本法医学会倫理綱領」(平成25年6月26日)及び「日本法医学会プライバシーポリシー」(平成18年4月26日)に従った上で、個人情報等の保護のために、以下の事項について遵守しなければならない。
- 氏名(本名、イニシャル、通称等)、生年月日、現住所(居住地等)は表記しない。
- 年齢は、原則として年齢階級(○しろまる歳代など)で表記する。
- 既往歴、現病歴に関して、診断・治療を行った病院名並びにその所在地等は表記しない。
- 顔を含む写真を使用する場合は原則として目を隠す。目の写真が必要な場合は、個人が特定できないように配慮する。
- 症例を特定できる剖検番号、画像情報に含まれる番号等は削除する。
- 事件の発生・発見の日付あるいは死亡や受傷の日付の表示は、原則として年月までに限定する。時刻も時間帯(早朝頃、○しろまる時頃など)で表記する。
- 事件の発生・発見の場所あるいは死亡や受傷の場所の表記は、原則として区域(○しろまる○しろまる県、○しろまる○しろまる市など)までに限定する。道路や河川、特定地域の固有の名称は表記しない。
- 所轄警察署や裁判所の名称等は原則として表記しない。
- 既に他機関で鑑定されている場合(再鑑定などの場合)、他機関の名称、所在地、鑑定人の氏名等は表記しない。
以上
平成25年6月26日
特定非営利活動法人 日本法医学会理事長 平岩 幸一
日本法医学会 医の倫理委員会
委員長 小片 守
副委員長 赤根 敦
委員 山内 春夫
委員 呂 彩子
委員 塚田 敬義
委員 藤宮 龍也
外部委員 稲葉 一人
外部委員 水口真寿美
本指針は平成25年6月26日開催の第98回日本法医学会評議員会で承認された。