Augmented Memory

拡張記憶/体験メディア(ウェアラブルコンピューティングによる体験記録とその利用)

しかく 研究内容


しろいしかく研究の背景


拡張記憶は,ユーザの日々の活動におけるコンテクストを計算機が保持しておき,その一部を再現してユーザの想起活動を促すことで,ユーザ自身の記憶領域が拡張したかのように感じられるような支援を行うという考え方で,「体験メディア」という用語を使うこともあります.カメラやマイクロフォンを身体に装着してユーザの日常活動を入力・記録すると共に,ユーザの置かれた様々な場所や時における状況を認識するために運動センサ等の身体装着デバイスや環境中の様々なデバイスと連携する必要があるため,この分野の研究はウェアラブルコンピューティングやユビキタスコンピューティングのコンセプトと親和性が高くなっています.我々は特にユーザが「見た」一人称情報が獲得・蓄積でき,そのデータを再生することでユーザの体験を「再現」できる視覚情報入力デバイスとしてのカメラを身体に装着した拡張記憶インタフェースを主に提案・試作しています.特に我々は「モノ」,すなわち実世界対象物と「場所」を手がかりにした記憶拡張が有効であると考えています.
また,IPA 未踏ソフトウェア創造事業においても,体験メディアを中心に ユーザの知的能力を増強するソフトウェアの開発プロジェクトを支援していますので, こちらもご覧下さい..

しろまる本分野の総合解説記事 しろまる参考文献
しろいしかくKeyword
Augmented Memory, Experience Media, Wearable Computing, Life Log, Body-mouted Camera

しろいしかく 物探し支援システムのための筋電位情報からの物体把持状態検出

    I'm Here!では身体装着カメラを用いて物探しを支援していました. カメラ映像のみを用いると, 下図のようにオブジェクトを置く動作がカメラの視野外で行なわれた場合, ユーザに正しい情報を提示できません. そこで腕の筋電信号を用いて掌の開閉を検出することでオブジェクトを設置した瞬間が, カメラの視野外であった場合でも常に「認識した場所と設置した場所」が一致し, 正しい情報をユーザに提示できます.



    左図にウェアラブル物探し支援システムの流れを示します. 筋電信号計測装置から腕の筋電信号を計測し, 得られた動作波形の周波数特性を捉えて把持状態を検出することで, 探したいオブジェクトが設置された瞬間を検出します. 検出結果を基に, オブジェクトが設置された瞬間のカメラから得られたフレームにタグ付けを行い, その前後の映像をユーザに提示します.

しろまる参考文献

しろいしかく もの探し支援インタフェースにおける機能とデザインの両立



しろいしかくもの探しのためのウェアラブルインタフェースI'm Here!


しろいしかくUbiquitous Memories: 遍在する実世界対象物を依代とした体験記録管理手法



しろいしかくResidual Memory: 場所をトリガとする記憶想起インタフェース



しろいしかく記憶する住宅:個人体験画像の受動閲覧による記憶拡張支援


しろいしかくObjectCam:I'm Here!のための把持物体抽出カメラ


しろいしかくObjectCam2:環境に対するロバスト性を増した把持物体抽出カメラ


    ObjectCamは環境中に屋外や窓際などの赤外線が豊富にある環境では有効に機能しない上に, ビームスプリッタと2台のカメラを厳密に設置しなければなりませんでした. これを改良したObjectCam2は高速なCMOSセンサを採用して光学系をひとつに集約し, 赤外光源を明滅させる構成にしました. 赤外光源の明滅にあわせて消灯時にはカラー画像を, 点灯時には反射してくる赤外光を含むカラー画像を交互に撮影します. そして,ObjectCam2は消灯時と点灯時の画像の明度を差分し,照射された赤外光の反射光のみを観測した画像(反射赤外画像)を得ます. このような構成により,ObjectCam2は環境中に赤外光成分が豊富に存在する窓際のような環境でも ユーザ把持物体を安定して抽出することができます.
    協力:(株)ソニー木原研究所 (現在,ソニー(株)技術開発本部)
    しろまる参考文献 しろまるビデオ

しかく 研究発表

学術論文誌

査読付口頭発表

解説

その他の口頭発表


河野恭之 / 情報科学科(人間システム工学科) / 理工学部 / 関西学院大学

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /